2010年3月アーカイブ

『Excelプロトタイピング ―表計算ソフトで共有するデザインコンセプト・設計・アイデア』

 ソフトウェア・インターフェイスを開発する際にプロトタイピングという手法を使って,実際に使ってもらってフィードバックを得ながら設計していくことがあります。Excelは表計算ソフトですが,データ入力や処理する際の操作インターフェイスをつくる機会があり,この本もそのようなことを想定して書かれています。

 ただ,この日本語版,面白いことに「iPhoneのUIプロトタイピング」についての付録章がついているのです。しかも,おそらく日本の書籍としては最速かも知れませんが,iPadについても解説しているのです。

http://www.oreilly.co.jp/books/9784873114415/

 上記のサイトを経由してUIプロトタイピングに使うUI部品ファイルなども手に入ります。

 最近はすっかりiPhoneデベロッパになってますが...,あれれ?!デベロッパコネクションを覗いたらリニューアルとともに,新しいMacデベロッパプログラムが始まっています。個人向けは年間99ドル(10,800円)だって...,へぇ〜。

 以前のMacデベロッパプログラムは,個人については「プレミア」「セレクト」「オンライン」という区分けがありました。「プレミア」と「セレクト」は優良会員で,8万円とか5万円とかの年間費用が必要でした。「オンライン」は無料会員で,アカウント登録すれば開発キットはダウンロードできるという内容。

 それがiPhoneデベロッパプログラムと同じように,個人向けを「有料」と「無料」に区分け直したようです。年間費用は1万円。スッキリしているといえばスッキリしています。

 けれども,これは少々残念ですね。

 おそらく,プレリリース版ソフトウェアの提供基準が厳しくなってしまうのでしょう。従来の「セレクト」会員で提供さていた内容は法人向けになって,個人向けは公開時期が遅らされるか,公開されないか...。しかもハードウェア割引特典も無くなっているようです。

 ただ,iPhoneからデベロッパとして加わった人々をMacプラットフォームの開発者として迎え入れるという流れならば,確かにiPhoneデベロッパプログラムと揃えておくのも大事な施策ですね。

 いよいよ,Cocoaプログラミングのメジャー化に本腰が入り始めたという感じでしょうか。今年のWWDCでOS X10.7がどのようなものとして紹介されるのか,以前噂に流れていた「iOS」はUIKitとAppKitを見事に融合した成果として登場するのか。

 2010年は本当に面白い年になりそうです(もう2ヶ月経ってるけど...)。

 iPhone時刻表管理アプリ「Ride on Time」について,別のところではありましたが,ダウンロード状況やアプリ内広告の経過をご報告することをお約束していたので,遅ればせながらご報告したいと思います。

 

 Ride on Time(以下ROTと略)は,iPhone用の時刻表管理アプリとしてApp Storeの「ナビゲーション」カテゴリーに登録させていただいています。公開は2010年1月9日付けでReady for Sale(配信可)となり,即日配信を開始した無料アプリです。無料ですが,AdMob社のアプリ内広告を導入しており,使用中に画面の一部分で広告表示するものとなっています。

 当初1.0はまだ不十分なところもありましたが,2月3日に1.1アップデートを配信してやっとスタートラインです。現時点で「ナビゲーション」無料カテゴリーにおいて,ランク20位前後に置かせていただいています。

 

 ROTはiPhoneアプリ開発の練習のような位置づけもあるため,アプリ開発ノウハウやアプリ内広告の収益などは,一定条件のもと別に展開している教育関係の活動に反映させることが当初から決まっていました。

 というわけで,その一環として,以下にダウンロード状況とアプリ内広告の経過についてご報告をします。

 ただし,予めお詫びしておきたいのは,配信開始した2010年1月分のデータは,残念ながらお見せできるものがない状態。ダウンロード状況のデータはApp Storeに蓄積されて残ると勘違いしていたため,そうではないと気づくまでの詳細データを失っているからです。よって,以下は2010年2月のデータをご覧いただくことになります。

 (ちなみにダウンロード状況を集計するAppVizというMac用ソフトは便利です。もっと早くから利用すればよかったよかったと思います。)

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 まずはAppVizで集計したダウンロード状況のグラフをご覧ください。

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 先に記したように2月3日に1.1アップデートを配信しましたので,それ以降の新規ダウンロード数と考えてください。アップグレードは含まれていません。個々の数値は控えますが,一日平均160という数値が見えると思います。ROTより上位のアプリはランクが違いますので,このデータの延長線上で考えるのは難しいかなと思います。

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 それでは,AdMobにおけるデータをご紹介します。

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 当然のことながら,これらのデータはアプリがリリースされたばかりの特定の一ヶ月間の状況であり,これをもってアプリ内広告の実態を見通すことはできません。その状況を踏まえた上でデータを見てください。付け加えれば,これはROTというアプリの利用実態に絡んだ数値ですから,他のタイプのアプリだとどうなるのかは分かりません。

 グラフを見ると,月末近くにグンと収益が上がって下がる部分があります。この理由は分かりません。いろいろ背景理由を考えることはできそうですが,まだ素人の私の想像を書くのは控えることにします。また,AdMobに問い合わせるなどはご遠慮ください。

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 さて,数字はウソをつきませんので2月の収益について記せば「92.37米ドル」となります。

 これは,別の教育関係の活動の資金として使わせていただくことにします。iPhoneあしながプロジェクトという活動ですが,iPadが登場してきましたので,それも含めた教育活動に発展させようと考えています。

 ROT自体は,バス時刻表などを手入力できて管理できるアプリとしてご好評いただいています。開発練習がてらにつくったという位置づけでしたので,意外な反響に驚いていますが,生んだ以上はある程度まで育てていきたいと思います。またどうぞよろしくお願いします。

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 アプリ内広告の是非や捉え方は様々ですが,私自身はもっと真正面から相対して,勉強したり活用していくことが大事ではないかと考えています。私たちの身の回りは広告モデルによって成り立っているものがたくさんあるにも関わらず,そのようなお金の廻り方に対しては案外と無頓着です。そのため捉え方も「儲ける儲けない」という次元にだけ陥りやすくはないでしょうか。

 今回,あえてデータをご紹介したのは,そのような関心を入口にしつつも,もう少し私たちの生活や社会活動を支えつつある仕組みについて一緒に勉強できたらと思ったからです(『フリー』に関する議論も無関係ではないでしょう)。もちろん,儲けにしか関心のない人々がいることは承知していますけどね^_^;。

 とにかくアプリ内広告市場は,これからどんどん広がっていきますので,もっとよく知っていきたいと思います。

『Beginning iPad Application Development』

はやっ。

まあ,SDKのベータ版はリリースされてますし,iPhone SDKの延長線上ですけれど...。iPhone OS 4.0が出て泣いても知らないからね。

って,あんたたちもそうかいっ!

『WEB+DB PRESS Vol.55』

 WEB+DB PRESS誌の55号では,HTML5実践入門記事が掲載されています。さらに特集はプログラミングしている人たちにとって気になる話題ですし,モダンネットワーク・プログラミングの記事も勉強になりそうです。

 この号は個人的に買いです。

『徹底解説HTML5マークアップガイドブック』

 ぞくぞくHTML5関係の書物が登場しています。まだ本格的に取り組むには速すぎるタイミングなのかも知れませんが,少しずつでも情報を仕入れておくことが大事ですね。