[ExRsv] 新幹線予約アプリの難しさ

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 九州新幹線も開通し、書店へ行くと新幹線に関する雑誌やムックが鉄道関係書棚に多く並ぶようになっています。

 私も新幹線予約アプリ(EX予約アプリ)を開発するにあたって、志気を高めるためと列車運行や車体の情報の理解を深めるために購入して眺めたりしています。

 いまのところ「鉄道ダイヤ情報」誌のムック『新幹線ファーストガイド』がお気に入りです。巻末あたりにある「新幹線保存車両一覧」は、懐かしい0系車両が意外にも全国にひっそりと残され活躍している様子が分かって興味深かったです。

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 さて、新幹線予約アプリの開発をするにあたって、エクスプレス予約サービスの研究をしてきているわけですが、これに関する情報は多くありません。

 単なる交通手段の予約サービスですから、本家サイトの説明がすべて。1冊の本になるほどのことでもないため、せいぜい雑誌記事が少しあるだけです。CiNiiという論文データベースを使うといくつか探せます(こちら)。

 開発を始めるにあたってすぐ読まなければならないものは無さそうなので、いつか紐解くことにしようと思います。

 新幹線予約アプリのためには、サービスの概要もそうですが、予約サイトの仕組みを掴まなければなりません。サービスに関する情報も少ないところで、予約サイトの情報はさらに少ないのが現実です。

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 他の予約アプリのレビューでも見たように、EX予約のサイトはPC向けと携帯電話向けがあり、次のような特徴があります。

  • PC向け:インターネット経由からパソコンのブラウザで予約手続することを前提として作られたサイト。スマートフォン等からもアクセスは出来るが、画面は最適化されていないため困難が伴う。
  • 携帯向け:携帯電話キャリアの回線からのアクセスに限定したサイト。インターネット上からはセキュリティのためアクセスできない。各種携帯電話の画面を考慮して簡素な表示で手続きを進める。

 つまり、スマートフォンへは未対応、というのがEX予約の現状です。ただし、昨今の情勢から、いよいよスマートフォン対応にとりかかったようです(【会員の皆様へ】スマートフォンによるエクスプレス予約ご利用について)。

 「スマートフォン向け画面の構築等、システム開発をしている」と表記されていて、実現時期については明言していませんが、早くて夏、あるいは秋頃ではないかと推測されています。一日も早い実現を期待しましょう。

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 現時点では、アクセス回線の制限を考えると、スマートフォンからのEX予約はPC向けサイトを利用する他に選択肢はありません。 

 しかし、スマートフォンからPC向けサイトを利用する際に、問題が発生していると言われています。

 たとえば「EX予約プラウザ」というアプリは、予約手続き中のエラーを問題視してアプリの公開を中止しました(EX予約ブラウザのページ)。

 その原因についてAndroid版における調査をされたようです(「Android 版EX予約で予約がうまく行かない件」)。これによるとスマートフォン上のWebブラウザが採用している「WebKit」というHTMLレンダリングエンジン(プログラムの主要部品)がエラーを出しているとのこと。

 WebKitは完成部品のようなものなので、改造のために手を入れることが難しい。その部品がエラーを起こすのではお手上げ、というわけです。

 
 また、EX予約サイトの方が「特殊」なためにエラーが起こるのだという指摘もあります。座席リクエストのような画面は複雑なので、メモリを過度に消費してエラーを引き起こすのではないかとも考えられています。

 あるいは、セッション管理を伴うWebの処理を行なっているため、一つ一つの手続きを完了させながら進めない(まだ画面が途中表示なのにボタンを押してしまう)とエラーが発生して接続が切れてしまうといった問題もあるようです。

 
 乱暴に要約すると、スマートフォンが標準採用している「WebKit」を利用する場合、EX予約サイトとの相性が良くないということです。

 解決方法は

  • EX予約サイトがスマートフォン(WebKit)対応する
  • WebKitを使わない方法(たとえばOpera miniブラウザの利用)でアクセスする

 このどちらかしかありません。

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 EX予約サイトがスマートフォン対応する予定であることはすでにご紹介しました。

 Opera miniブラウザのようなWebKitを使わずに独自にエンジンを作って利用しているアプリならば対応できるわけですが、かなり応急処置的です。

 というわけで、EX予約アプリを作ってみようというわけですが、これがそう簡単な話でないことは先回書いた通りです。

 これほどニーズがありながら、今日においても新幹線予約のアプリがリリースされていないことが、その難しさの傍証とも言えます。

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 けれども、EX予約サイトは、そんなに酷いシステムなのかと問われると、センスがあるかないかは別として、システムとしてはかなり堅実に動いているようです。

 なにしろJRの予約・発券システムと連動するわけですから、それはそれなりに確実な動作を企図して構築されています。

 とりあえず「新規予約」と「変更」に限定すれば、おおよその挙動は把握できそうですし、そのための画面遷移もパターンを見つけ出すことが出来そうです。

 次回はいよいよ予約サイトの解析の準備を始めることにします。

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