2011年6月アーカイブ

 新幹線エクスプレス予約アプリ「EX489」をリリースして、最初の1.01アップデートを行なった。

 リリースをしなければ分からなかった様々な問題への対処をするためにも、最初のアップデートは重要である。そのあとも機能追加などのアップデートは必要だが、まずはなんとか使える状態に持っていかなくてはならない。

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 今回、アプリの審査チームに「早急な審査をお願いします」と申し立てをした。

 予約アプリは、どうしても金銭授受が伴うことなので、不具合についてユーザー不利益が起こらないようにしたいという理由をつけた。

 幸い、申し立てが認められて、この数日でアップデートが配信開始されたのは幸運だった。なるべく多くの皆さんにアップデートしていただきたい。

 辛辣なレビューに凹みながらも、問題発生原因を突き止めるべく、あれこれ調べたり試したリを続けていた。

 自分が試す限りにおいて、ほとんど問題が発生しない。ところが、全く同じ機種とOSバージョンにも関わらず、タップするだけで「落ちる」という報告もある。

 どうもエクスプレス予約の利用実態や設定が異なっていることが起因しているのではないかと疑って、あれこれツイートして情報を寄せてもらっていた。

 Expressカード会員とJ-WEST会員の違いはクリア。これは自分自身で両方試した。個人会員と法人会員の違いだろうかと考えたが、これも報告をいただいてクリア。出張番号の件を除けば、両者の手続きは同じと考えてよさそうだ。

 となると、特定のタイミングでのアプリ利用か、特定の列車を選択することが原因なのだろうか。しかし、これに関してはレビューだけではわからなかった。

 やがて、使用機種とOSバージョン、選択した駅区間と列車名を書いてくださるレビューが投稿された。それを見ると、本当にふつ〜に落ちるらしい...。

 ?????

 もはやアプリ側で想定している以外の挙動をエクスプレス予約サイトがしているとしか原因が考えられない。

 エクスプレス予約は、あらかじめよく使う列車名や予約条件を登録できる機能がある。人によって違うとすれば、ここの設定だろう。そこで、設定条件を変えて使用してみた。

 すると見事に「落ちた」^_^;

 なるほど、ここが原因だったようだ。

 アプリ側としては、どんな設定されていようがその時々に表示される情報を処理するように作ってあったはずだが、よくよく調べてみると座席位置を「指定なし」とした場合にサイト側のHTMLが設計と違う挙動で送られてくることがわかった。

 ははは... 泣いちゃうわ。

 過信は禁物だなと反省。レビューアの皆さんには大変申し訳ない結果となった。

 こればっかりは実際に広範に使ってもらわないとわからない。

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 とにかく、原因がわかれば対処することができる。さっそく作業をして、その他の微調整と合わせてver1.01とした。

 まだ未対応の部分は山ほどあるが、少しずつ追加できればと思う。

 いやはや、アプリを使ってもらうというのは難しいことなのだと改めて感じた日々だった。

 苦労して公開までこぎ着けたEX489は、実利用のフィールドで苦い現実に直面したようだ。レビューには「落ちる」の報告だらけ。1件だけとはいえ「売るな」と手厳しいレビューもある。

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 基本的にエクスプレス予約関連のアプリについて、これまでの険悪な歴史があるだけに、新しくリリースされた非公式のアプリに対し、かなりの警戒感や抵抗感があるらしい。

 そのうえ、7月に予定されているJR側のスマートフォン正式対応が発表済みなので、いまさらアプリが登場することに醒めた感じもあるようだ。

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 もちろん、EX489はちゃんと機能する。

 私自身もちょうど新幹線を利用した出張で活用したばかりだし、幾人ものユーザーから実際に利用した報告もいただき、暖かい声援と身に余る賞賛を受けている。

 物事に完璧はないので、自分の開発成果ということもあって、EX489アプリに対して謙遜気味に表現しがちであるが、それなりに自信を持って公開した次第である。

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 ところが、ユーザーの実態は千差万別。

 思いも寄らないシチュエーションで利用されていることもあり、まだまだアプリを育てていかなくてはならない。

 育てていかなくてはならないのだけど、ユーザーにとっては「落ちる」ことだけで、もうそれ以上は関わってくれないことも多い。

 「どういう利用環境で落ちた」のかの説明をする義務がユーザーにはないのだから、親切心が働く余裕がない限り解決のための情報提供はなく、こちらの方で問題を再現することも、原因を特定することも難しい。

 案外、iPhoneを再起動すれば解決することでも、ユーザーにしてみれば「そんなわざわざ...」という行為なのだ。

 それに「落ちた」のは本当のことだから、レビューが取り消されるということもない。

 レビューしたユーザーが直面した現実を考えれば、汚い言葉を使いたくなることも分からないではないが、ついて出てくる第一声や言葉が汚い言葉だと知らないうちにクセになるからやめた方がよいと素朴に思う。これは本人の努力や忍耐の問題だけれど。

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 いくらかは問題と原因もわかったので、そのための作業をしようと思う。

 しかし、このままだとあまり良い結果をもたらさないようにも思えたので、一旦公開を中止することに決めた。(追記:そのあと考え直して様子見にした。)

 レビューを気にし過ぎているわけではないが、これは単にEX489アプリの問題ではなく、エクスプレス予約の利用という行為全体の問題にも関わることだから、慌てずにゆっくり行こうと考えた次第である。

 まあ、もともとEX489は技術チャレンジから出発しているし、7月のスマートフォン正式対応という流れがあるわけだから、むしろ独自の努力を続けていった方が良いだろうとも思える。

 というわけで、少しペースを変えて取組みを始めたい。

 EX489を申請して、In Reviewに入ったのが米国時間10日午前のようです。

 AppStoreのアプリ審査は、審査開始までの待ち時間か半分以上。審査期間の方が短いというのが定型のようです。しかし、それも決まっているわけではありません。

 Apple側では「App Store Review Status」という審査期間目安の情報を発信していて、最近7日間で審査された申請アプリ(iOS submissions reviewed within the last 7 days)の割合を紹介しています。

 それによると9割以上のアプリが審査されたことになっています。もっとも「承認された」という言葉を使っていないので、審査にかかってから配信承認に至るまでの時間がどれほどなのかは、実はよく分からないというのが本当のところ。

 ネットに漂う証言の中には、審査開始後すぐに承認されてびっくりした、という声もあれば、審査開始後は数週間経っても音沙汰なし、なんて経験談もあり...。

 もはや、AppStoreの審査期間は時の運次第というのが定説です。

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 とはいえ、審査期間の揺れは、申請アプリの内容やジャンルはもちろん、説明情報や配信条件なども関係しているわけで、単に運次第というわけでもないでしょう。

 それに、今回申請中のEX489は、週末が挟まってしまったので、週明けまで待たなくてはならないという、まさに暦上のタイミングが悪かった事例となりそう。

 個人的には、一日でも早くエクスプレス予約利用者に届けたい気持ちなのですが、こればっかりは辛抱して待つしかなさそうです。

 新しいアプリ「EX489」はアプリ内広告で無料配信することにしました。

 結果的にはRide On Timeと同じになりましたが、アプリ内広告導入の検討は新しい項目も含んでいました。

 たとえば、iAdの登場です。

 アップル社のアプリ内広告システム「iAd」は、そのリッチな広告表現能力と高い収益性をウリとして2010年に登場しました。

 儲かるかどうかはともかくとして、興味深い広告システムなのでEX489にも導入することにしました。もっとも日本ではまだスタートしていないので、今のところ広告配信はないです。

 そういうこともあるので、従来から利用していた「AdMob」も引き続き利用することにしました。こちらはRide On Timeでの実績もありますので、要領がわかっています。

 このように2つの広告システムを利用する場合には、独自に表示し分けるプログラムを組む以外に、「AdWhirl」という動的広告プラットフォームを導入して広告を表示させる方法があります。

 今回はこのAdWhirlを利用することにしました。iAdの広告配信が始まるまでは、AdMobを中心に表示するように調整できるので便利です。


 iAdの日本展開は、電通とグループ子会社であるサイバー・コミュニケーションズが協力することになっています。

 今年の早いうちにスタートする予定でしたが、大震災などの影響もあって広告キャンペーンのようなものを展開し難いご時世となり、スタートが遅れているのだと思います。

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 有料アプリとしての配信も考えました。

 今回のEX489なら、そこそこの値段で購入してもらえるのではないかとも考えました。

 しかし、これまで新幹線予約で苦労してきた皆さんのコメントなどを拾い読みすると、最初からお金を払わせることは心苦しいし、7月のサイトリニューアルで使えなくなった時のことを考えると、踏み出せなかったというのが正直なところです。

 いずれ落ち着いたらアプリ内課金を実装することを考えたいと思います。

 いよいよWWDC開催日です。

 しばらくプログラミングに没頭していたので、今回の基調講演で何が発表されるのかは、流れてくる「iCloud」の名前から想像できることも少ないです。

 しかし、よりモバイルが重視されていることは確実ですし、それがワイヤレスの方向であることも明らかです。

 iOSがUSBケーブルによってOSXに従属していた時代がいよいよ終わり、対等な関係として自律的に存在するようになるかも知れません。それはそれでリスクやデメリットがあるとは思うのですが、iOSへの期待を考えるとそうならざるを得ないのでしょう。

 iOSとOSXが結婚するのではないかと以前書いたのですが、その前に、iOSとOSXがある程度対等な関係に渡り合う状態にならないといけないと考えれば、その両者を取り持つ存在としてのiCloudという捉え方も出来るように思います。

 Mobile Meは正直パフォーマンス的に十分な実力を発揮していたとは言えませんでした。iCloudがそうした反省の上にどのような展開を見せるのか興味深いです。

 とにかく、開発者の端くれとして、また純粋なアップルユーザーとして、今年のWWDCも動向が見逃せないですね。

 いつかは現地参加してみたいです。

 まだまだ登場するiPhone関連本


○『iPhoneアプリ設計の極意 ―思わずタップしたくなるアプリのデザイン』

 「Tapworthy」の日本語訳です。原著の素敵な感じがどうなっているか楽しみですね。日本語版なりのおまけもあるようです。


 
○『cocos2dで作る iPhone&iPadゲームプログラミング』

 こちらがゲーム開発のツール「cocos2d」を解説した翻訳本です。


 
○『Titanium Mobileで開発するiPhone/Androidアプリ』

 こちらはJavaScriptを使ってスマートフォンのクロスプラットフォーム開発が出来る「Titanium」を解説した本のようです。


 
○『ソケット通信プログラミング』

 ソケット通信プログラミングの本も出たようですね。

 気がつけば、関連図書が再びたくさん登場しています。まぁ、Android関連本はそれを上回る勢いですが、iPhoneの方もまだまだたくさん登場しそうです。


○『これでiPhoneアプリが1000万本売れた』

○『iPhoneアプリ・クリエイターズファイル [2011-2012]』

 以上2冊は開発後の配信やマーケティングに焦点を当てたものだと思います。まだ目を通していないですが、少し楽しみです。


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○『改訂2版 基礎から学ぶ iPhoneアプリ開発』


○『iPhoneアプリ開発 熟達テクニック』

 以上の2冊は林晃さんの著書。逆引きハンドブックもお世話になっています。


 
○『iPadプログラミング』

 こちらは洋書の翻訳。iPadプログラミング本としては早い段階に登場したもので、原著は3.2対応ですが、日本語版はiOS4.3にも対応している模様。amazonのレビューにサンプルコードが無いという指摘もありますが、日本語版のものはこちらに、原著の方はこちらにあります。
 ちなみにApressシリーズのもので、ゲーム開発に使う「cocos2d」というフレームワークの解説書の翻訳も別の出版社で予定されているようです。


 
○『iOS WEB APIマッシュアップ入門 for iPad/iPhone』

 WEB APIを使ってみようという企画の本がiOS向けに限らずあちこち散見されるようになっています。ネット活用の成果が分かり易くてプログラミングの興味をかき立てるという意味では悪くないテーマだと思います。
 解説部分はあっさりしているのかなという気もしますし、サンプルコードが延々続いている紙面にもちょっと「う〜ん」という感じですが、関心があれば。


 
○『iOSプログラミング入門 - Objective-C + Xcode 4で学ぶ、iOSアプリ開発の基礎』

 こちらは手際の良い入門書になりそうな感じ。著者はObjective-Cの入門書も書いてますし、その他いろんな入門書を書いているベテランの方ですから、ある種のビギナーの方にはよいのかも知れません。また実物を見たら覗いてみたいです。


 
○『スマートフォンアプリのためのUI&グラフィックデザイン』

 iOSに限らず、Androidなどスマートフォン向けのUIデザインについて取り上げた本。この手の本は意外と必要とされているのに少ないというのが現状です。
 ボタンデザインをするときのグラデーションの掛け具合などについて、読んでみたかった内容がちゃんと取り上げられているので勉強になります。時間の余裕があったら、ぜひデザインにも力を入れたいものですね。あ、見た目が9割大事なら、むしろそちらに時間を割くべきかな。とにかく良書です。

 開発を続けていた新幹線予約アプリ(開発名ExRsv)が、最初の完成形を見せたので、App Storeに申請することにしました。

 完成を急いだのは、エクスプレス予約サイトのスマートフォン正式対応アナウンスもありましたが、それより私自身の本業との関係でプログラミング作業を中断しなければならないタイミングが迫ってきたため、そうなると完成が劇的に遅れてしまう危惧があったからです。間を空けると忘れちゃうでしょ... ^_^;

 当然のことながら完璧の域には至っていませんが、なるべく早く届けることも大事かなと思いましたので、ver1.0をお届けします。

 開発名「ExRsv」あらため、「EX489」が間もなく登場予定です。

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 このブログでは、EX予約サイトについてご紹介しながら、開発着手の様子をお知らせしてきていました。既存の新幹線予約アプリについてもレビューをしていました。

 その後、一つのアプリが公開を停止したり、EX予約のサイトリニューアルの影響でほとんどのアプリが修正を余儀なくされたり、そしてJRがEX予約のスマートフォンの正式対応を発表したり、いろいろ展開もありました。

 実は、レビューしていたときには気がつきませんでしたが、取り上げた「Rapidy新幹線予約」というアプリは、旅行カテゴリーの有料アプリ第一位をキープしているアプリだということを後から知って、ちょっと驚いたりもしてました。

 新幹線予約アプリに一定程度の手堅いニーズが有ることを改めて知ったりしたわけですが、果たしてEX489がどれほど期待に応えられるのか。開発中は出来上がるかどうかで心落ち着きがなかったですが、いまは審査を経て皆さんにいつ届けられるのか心配で落ち着かないといった感じです。

 とにかく、con3 Officeのアプリとして6月中に届くことを願っています。