大学院の最近のブログ記事

修士論文提出完了

user-pic
0

 ご無沙汰しています。そして私事ですが,修士論文を提出し終えました。調査にご協力いただいた皆様,心配していただいた皆様,応援してくれていた皆様には,本当に感謝感謝です。

 本日締め切りでぎりぎりまで粘りました。孤独な作業ですので,あれこれ確認確認で進んでいたら,やっぱり最後までかかりました。製本して提出直前というところで,思わぬ間違いを発見して,丸まる一頁ペタッと上書きしたり,読み返せば読み返すほど朱を入れたくなったり,こういうのは続けていると切りがありませんので,まあ,時間も来たので出しちゃいました。

 また再び,締め切りの魔術師伝説が続いてしまいそうですが,家賃の支払いとか,メールの返事とかは全てすっ飛ばしてしまっていましたので,本当に申し訳ないです。ああ,家の中の掃除もしないと…。

 というわけで,私の修士大学院生活も大きな一山を越えて,あとは身支度をするのみという感じです。

 次は何処へ流されていくのかは,自分の努力とご縁と時の運次第。

 少なくともあと数ヶ月は東京暮らし確定しているわけですから,いまのうち東京生活を満喫します。

 あ,でも博士課程の試験準備をしなくては…,さて,生き残れますかな。

 秋田喜代美先生の授業「授業の心理学」に出席している。今年この授業では"Preparing Teachers for a Changing World" (→版元)という文献を講読している。主に教師の学習や教師教育に関して焦点を当てたもので,タイトルからも分かるように新しい時代を見据えて取り組まれた仕事である。教師が知っておくべきことや何を学ぶべきであるのか,教師教育カリキュラムの在り方も射程に入れて論じられていたりする。

 ちなみに学習科学に関する枠組みとしてHPLフレームワークと呼ばれるものがあるが,本書はそれに則った成果でもある。HPLとは"How People Learn" (→版元)という学習科学に関する文献のことで,今日,学習を語る際に多く参照される考え方。邦訳は『授業を変える』(北大路書房2002)という書名で,実は名前が似ていて紛らわしい書があって困るのだが,教育や学習に関して興味がある人は一読しておくべきである。

--

 学生時代を教員養成学部で過ごし,現場の教師にはならなかったけれど違う角度から教育や実践のことを考え続けてきた。そうした関連の問題が,21世紀に入ってから徐々に,このようなまとまった形の学術成果として現れてきていることを思うと,大変興味深い。とはいえ問題は整理されたからといって,それにどう取り組んでいくかはまだまだこれから。考えなければならないことは,まだたくさんあるいえる。

 あらためて,教師というのは「学習者以上に優れた学習者であらねばならない」のだと確信した。そう考えたとき,研修受講モデルを基本とした教師教育や教師学習の在り方が望ましいのかどうか。そのような問いから出発して,もう一度,日本の教育を眺め直さなければならないと思う。