着任のご挨拶

2024年4月より瀬戸SOLAN学園初等部(瀬戸SOLAN小学校)に着任しました。

なんと、大学教員から小学校教員への転身となります。そんなことが可能なのか?という皆様もいらっしゃると思いますが、ユニークな私立小学校ということもあって、加えていただきました。

それに、わたくし、休眠した小学校教諭第一種免許の所持者でありますので、それほど無理筋ではない転職かなと思います。(まぁ、大学教員辞めて小学校教員になりたいかどうかは人それぞれですが。)

瀬戸SOLAN小学校は2024年度で4年目に入る愛知県の私立初等部で、2025年度には中等部を設置することになっている小中併設の学園となります。これからさらに変化発展していく学園ですし、それゆえ新陳代謝も激しくはありますが、すべて子どもたちの学びにフォーカスするための過程。私もまた、その変化発展に貢献すべく、一員として尽力したいと考えています。

とはいえ、私をご存知の皆様は「りんさんが、そんな大人しくしてるわけないじゃない」とニヤニヤされていらっしゃるかも知れません。ん〜、まぁ、とりあえずは職場に慣れてからじゃないとね。少しずつ、あれこれやってみたいと思います。

学校名を検索して初めていらっしゃった皆様、こんにちは。

その中には本学児童の保護者の皆様もいらっしゃることかと思いますし、学校に関心がある一般の皆様もいらっしゃると思います。

珍しいキャリアの変わり種教員が加わりますこと、ご不安もあるかと思いますが、あらためてどうぞよろしくお願いします。私は高学年の情報の授業を担当いたします。

学校について根掘りなほり書くことは、当然禁じられておりますので、ご関心があることについて有益な情報提供はできないかも知れませんが、各自の研究活動は奨励されていることだと思いますので、その範疇で何か書いているかも知れません。所詮散らかった私の部屋のような場所ですので、片づけられていない恥ずかしい文章を目にしても、どうぞご容赦ください。

新年度始まり、私たちの職場も児童を迎えるのに慌ただしいです。さて、私も準備準備。

退職のご挨拶

3月末日をもちまして徳島文理大学を退職いたしました。

あらためて、徳島でお世話になった皆様に厚く御礼申し上げます。
大過なく15年間勤め、次に移れるのも周りの皆様のおかげだと思います。
本当にありがとうございました。

徳島学校タブレット問題に関心をお持ちになったついでに訪れた皆様、いらっしゃいませ。
斯様な事情で徳島の出来事について新たな情報発信することが難しくなりますので、最新情報などは別のリソースから得ていただければと思います。

新年度からは新たな場所でスタートを切る予定です。またご報告をします。

研究室退去

年度末3月。りん研究室は退去となりました。

徳島文理大学には15年間在籍いたしました。この間、お世話になった皆様に感謝いたします。

研究室の蔵書はおよそ10トンもの分量があると引越業者に言われましたが、それらを数百箱もの段ボールに詰め込み、次なる地へと輸送いたしました。

大学の教員としては、これで一区切り。いくつか非常勤担当を残すのみです。新年度からの仕事は、まだ明確には決まっていません。なるようになるさ…というスタンスです。

退去理由をお求めの皆様には、実家に帰る「看護離職」とか「介護離職」の準備といった風にご理解いただければと思います。円満退社と言ってよいでしょう。

実体としてのりん研究室は解体となりましたが、活動は継続していきますし、またどこかでお招きできる場所を確保できればとも思います。

韓国語ワープロ Office HWP for Mac

国産日本語ワープロといえば「一太郎」ですが、韓国には国産韓国語ワープロと呼ぶべきソフトウェアが存在します。Hancom社のOffice HWPです。

ハンコムオフィスというオフィススイートの中の一つです。他にも表計算ソフトのOffice CellとプレゼンテーションソフトのOffice Showがあります。(HWPとWordの違いはよく分かりませんが…)

拡張子hwpxの文書ファイルが当たり前に飛び交っているほど、お隣の国でポピュラーなソフトウェアのはずですが、日本の私たちはその存在についてほとんど何も知らない状態といえます。

私も韓国語はまったく出来ない人間なので、本来なら縁のないソフトのはずでした。

ところが、韓国の教育の情報化事情などをネットで調べたりすると、頻繁にhwpxファイルに遭遇することになり、ファイルを開く必要に迫られたわけです。

幸い、hwpxファイルにはビューアソフトウェアが用意されているので、それをダウンロードすれば文書自体は閲覧することが出来ます。

最近ではPDFファイルで公開される文書も増えているので、hwpxファイルを開く必要が少なくなってきているように思いますが、まだまだhwpxファイルは健在のようです。

というわけで、hwpxファイルに関しては一件落着のはずですが、閲覧だけで終わらない場合もあったりするわけです。たとえば韓国語文書を日本語翻訳したい場合などです。

もちろん翻訳作業もビューアで済むことの方が多いのですが、時と場合によっては文書を編集可能状態で扱いたいことがあるのです。

というわけで、実務的な必要性と共に好奇心も手伝って、ハンコム社のワープロソフトを入手したいと考えるようになっていました。2010年代頃の話です。

その頃はHancom Office ハングル 2014 for Macがリリースされており、これを入手したい考えていたのですが、残念ながらネット上で入手することは難しい様子。パッケージ版をご当地韓国で購入する以外に方法はなさそうでした。

ラッキーなことに、2014年頃、韓国に出張する機会を得ました。

ソウル特別市のミョンドンにあるApple販売店を訪れて、パッケージ版を購入したのでした。

小さくてもボックスで販売しているかと思ったら、ライセンス情報が記載された厚紙をパッケージしたシンプルなものだったので拍子抜けしたのを覚えています。持ち帰るには都合がよかったですが。

その後、ハンコムオフィス自体はWindows版やクラウド版など大がかりな改訂も伴いながら、2018、2020、2022とバージョンアップが進み、最新の2024がリリースされました。

しかし、Mac版はずーっと2014止まり。

この10年間は大きなバージョンアップはありませんでした。Mac版ソフト特有の、そのままサポートがフェードアウトするパターンか?!…と常に不安な状態だったわけです。

ところが実は、最新OSに対応するアップデートは地道にリリースされ続けていました。途中、macOSの方が大きな変化をする際にも対応作業が行なわれましたが、若干の名称変更だけで2014表記のまま。

そしてMacはApple Siliconに移行することになったわけですが、ハンコム 2014はIntel向けのまま。

Universalアプリへの移行がアナウンスされないまま、いよいよフェードアウトか?と思われた頃に満を持してハンコム Office HWP 2024 for Macのリリースが発表されたのでした。

まぁ見たところ、そんなに大きな機能追加はなさそうでしたが、何よりもApple Silicon対応が大きいです。2014のサポートが終了する以上、乗り換えない理由はありません。

2024年1月中に展開したアップデートキャンペーンで既存ユーザーは無償でバージョンアップできるとされました。ハンコム社のWebサイトで直販され、ダウンロード版も用意されています。

すでにユーザー登録は済ませていたので、私も無償アップデートできると思い挑戦してみましたが、残念ながら無償購入処理が実行されませんでした。その場合は、専用フォームで申し込んでくれたら2月に確認後連絡するということだったので、申し込んで待っていました。

2月になって届いた知らせは、残念ながら無償アップデート対象外。

2月の最初の一週間に実施される50%オフセールで購入してくれということだったので、まぁ今後のことを考えて半額購入することにしました。(これらのプロセスでは自動翻訳にほぼすべて助けられました)

結果的に、2014版と2024版でほとんど変化はありません。

Apple Silicon対応と搭載フォントに違いがあるくらいでしょうか。これまでの流れを考えるとMac版に大がかりな機能追加は期待できませんが、それでもまた地道にアップデートはされていくのだと思います。

JAEMS2019発表情報ガイド – 開発の裏舞台

走馬灯のようにあれこれが浮かんでくる季節です。

日本教育メディア学会(JAEMS)という学会があり、その年次大会を私の職場で開く機会がありました。2019年のことで、新型コロナウィルス感染が始まる前のお話になります。

実行委員長を任された私は、学会発表の情報ガイドWebを構築したいと思い立ったのでした。

今回は、このサイトの開発の裏舞台をご紹介します。

学会大会というのは研究者にとって「発表の場」であることが基本。

そういう世界なのに「聴き専」になりがちな私。少々居心地が悪くなることは多いです。まあそれは自業自得。そういう時はいろいろ吸収して、次に発表できるように精進するだけです。

さて、聴き専参加者にとって、いつも悩みの種なのは発表プログラムの把握です。

昨今では学会大会のWebサイトの構築は当たり前で,プログラムや発表抄録・要旨・論稿などもPDF化されたものが共有される形になっています。

この、デジタル化やWebサービスの作り込み具合は学会によって異なります。

たとえば、日本医学会みたいな巨大学会(?)だと、学会大会専用のアプリも提供されており,学会参加をサポートするようになっています。

一方、多くを占める中小の学会の場合、専用アプリを開発するような予算規模はないので、単純に日程表やら会場別の発表一覧をWebサイトに掲載するのが精一杯。

モバイル端末から閲覧できるのは有り難いのですが、Webサイトの設計デザインによっては、大変見づらいもの、参照しづらいもの、使いづらいものがあるのです。

発表会場を渡り歩くような「聴き専」にとって、大会サポートアプリのようなものがないと、現在進行している発表が何なのか、次は何が予定されているのかなど、素早く知りたいのに、パッと探せないのです。

というわけで、学会の年次大会の運営を引き受けた機会に、それを解消する試みをしてみようと思い立ったのでした。

そのとき開発したのが「JAEMS2019発表情報ガイド」です。

さすがにアプリを開発する余裕はなかったので、様々な端末から参照できるWebサイトにしました。全体の研究発表一覧と現在日時と連動した現在発表中の発表一覧が表示できます。

研究発表一覧は、普通に全発表が一覧表示されます。

モバイルだとこんな感じ。

端末によって表示は小さいですが、その辺は慣れもあるかなと。

一覧の最初にあるのは、絞り込みアイコンです。

2日間の大会で、各発表セッションに記号が付されています。セッションは発表部屋単位ということになりますが,現実の教室名との対応は省いちゃいました。

いずれにしても、これらをタップやクリックすることで、すばやくセッションごとの一覧が表示されます。これが大事でした。

一覧画面は…

発表ごとに2行表示していて、1行目に発表タイトルと各種情報アイコン、2行目に発表者を表示しています。タイトルをクリックすると要旨などの詳細が表示されるようになっています。

一覧の右上肩には、表示した時点での現在時刻を表示しています。目線を下にして、発表予定時刻と比較できるように置いてあります。

実現したかったのは情報アイコンでした。

絞り込みアイコンと共通化しているものに加えて、午前午後を表わすアイコン、発表開始時刻を表わすアイコンを追加しています。

お目当ての研究発表が実施されるタイミングを視覚的に掴めるようにする工夫です。

日程とセッションのアイコンはタップまたはクリックができて、指定した絞り込みの一覧に切り替えることができるようになっています。

アイコンはsvgフォーマットで作成したので,時刻アイコンではデータ部分を可変的に設定できるようになっています。

情報アイコンは詳細ページでも利用しています。

そして、現在進行中の発表を一覧するページもあります。

残念ながら、リアルタイムで表示する仕組みのため、いまページを開いても何も表示されないです。(すべて終了した過去のため)

でも当日は、現在日時をもとにさきほどの一覧が絞りこまれて表示されました。そうすることで、いま発表中の一覧やセッションアイコンから次の発表を探したりなどできたわけです。

実際に使うと、日時との連動のタイミングを5-10分程度前倒しでずらしておくと次の行動計画に役立てやすかったかなとか、改良すべき課題も見えました。

以上が「発表情報ガイドWeb」の表の概要です。

Webサイト構築には、Google Firebaseを利用しました。

発表情報はFirebaseのFirestore機能にストアするようになっています。

Webサイト部分は単純にHTML5で作成し,FirebaseのHost機能を利用して公開しています。

管理者は発表内容の登録や修正などができます。そのための認証機能はFirebaseのAuthentication機能を利用しています。

あとあとの大会でも使えるように、csvの入出力もできるようにはつくりました。

もともと、年次大会を運営するためにGoogleアカウント(Gmailアドレス)を取得しましたので、そのアカウントでそのままFirebaseサービスも利用したわけです。システム的には無料範囲になります。

予算確保の難しい中小規模の学会にやさしい感じ。

大会準備をしながら実験的につくったので、「聴き専」として自分自身がフル利用することができなかったのは残念でしたが、なんとか動いてはいたようです。なので、使い勝手の部分はまだまだフィードバックが少ないので、改良の余地がたくさんあると思います。

これをブラッシュアップして、次に受け渡しができるんじゃないかなと思っていたわけですが、大会の事後処理をしたあとは放心状態。

やがてコロナ禍がやってきて、引き継ぎもずいぶんあっさりと終わってしまったので,2019年だけの幻サイトとなりました。

とはいえ、この経験は無駄にはなっておらず、枠組みを転用した、Scratch3.0拡張機能向けのサービスサイトが生まれています。まぁそれでよしとしましょう。

というわけで、役立ちそうで役立たなかったWebサイトの開発の裏舞台でした。