フューチャースクール推進事業・実証校である徳島県の東みよし町立足代小学校(あしろ小学校)も最後の公開授業を迎えることとなりました。
今回は2年生の音楽,4年生の算数,6年生の社会でした。
2年生の音楽では,歌詞を透明GIF化したものを使った共有活動を。4年生の算数では,デジタル教科書を使った平行の授業を。6年生の社会では,コラージュソフトを使った明治時代の人々に関する協働学習を,行ないました。
今回も足代小学校らしい,ユニークなICT活用の提案も盛り込みながら,授業研究会と研究発表,そして記念講演として玉川大学の堀田龍也先生にお話をいただきました。
投稿者: 林 向達
Note Anytimeを学校で使う
iPad miniとiPad Retina Displayモデル(iPad第4世代)が登場しました。サイズのバリエーションが増え,性能が高くなることは歓迎すべきことです。
学校でiPadを利用する事例も少しずつ増えてきています。私も徳島県上勝町の小中学校に出前授業をするにあたって学校備品のiPad(初代モデル)を使うことになっています。
上勝町のiPadはとある資金で町教育委員会が導入したもの。アプリを購入するためのプリペイドカードも購入してくれました。教育委員会に理解があると,とてもやりやすいということですね。
とはいえ,アプリなどはなるべく無料のものを活用して,どうしても有料アプリが必要な場合のみ購入したいというのが本音のところ。そういう点で,無料にも関わらず,自由度も性能も高いアプリは教育現場にとって大変あり難い存在です。
そういった無料アプリの中でも,最近のヒット作は手書きノートアプリ「Note Anytime」でしょう。MetaMoji社のアプリで,Windows 8版とAndroid版(予定)もあります。
Note Anytime
https://product.metamoji.com/ja/anytime/
教職ネットマガジンの紹介記事
https://kyo-shoku.net/column/ict/note-anytime/
私が個人的にNote Anytimeを評価しているのは次の点です。
・無料であること
・初代iPadでも遜色なく動作すること
・Windows 8版,Android版も用意していること
・A4サイズを用紙指定できること
・他のノートアプリをよく研究して同等の機能を多く搭載していること
・手書きの線をすべてベクターデータで処理できること
・PDF保存ができること
・Dropbox等のアプリと連携できること
・イラストなどのライブラリが充実していること
・手書き変換アドオン(mazec)を追加できること
現在,小学生達に使ってもらっていますが,最初は新しいアプリを覚えるのに試行錯誤で使っていましたが,数週間後に訪れた時には,かなり自在に使いこなしているようでした。
Note Anytime以外にも,UPADやGoodNoteなどセンスのよいノートアプリは存在していますが,どちらも「ノート」を模した造りになっています。
NoteAnytimeも,ノートアプリには違いないのですが,どちらかというと「ワープロ」的に使うことができる点で,取っつきやすさがあります。たとえば用紙の設定でちゃんと「A4」を指定できるのはNoteAnytimeの特徴です。
また,手書きペンや消しゴム,投げ縄,テキスト入力などの操作体系も素直で,初心者には馴染みやすいのも良い点です。有料ではありますが,テキスト入力機能に「手書き変換アドオン」を追加できるので,手書き文字によるテキスト入力が可能なのも面白いです。
そしてWindows 8版,Android版も開発している点は,ノート資産を今後も活用しようとする場合にとても有利です。
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さて,そんなNote Anytimeには,デジタルキャビネットというクラウドサービスが提供されています。これはiCloudのようなもので,インターネット上にノートの複写を保管できるサービスです。
Note Anytimeはアプリ内で「タグ」を付ける方法でフォルダに整理することができますが,その状態をまるごとネット上のデジタルキャビネットに写しをとる(同期させる)ことができるのです。こういうのをクラウドサービスとか呼びますね。
デジタルキャビネットがあると,何が便利かというと,複数のiPadとNote Anytimeがある場合に,それらをデジタルキャビネット経由で同期させて,中身を同じにすることができるのです。
自宅のiPad上のNote Anytimeでつくったノートは,会社のWindows 8上のNote Anytimeを同期させることで簡単に開くことができ,会社で編集したノートが今度は家のiPad上のNote Anytimeを同期させて家でも開けるというわけです。
このデジタルキャビネットと同期の機能を使えば,学校にある複数のiPadとNote Anytimeの内容を統一することができるので,保存したノートをどのiPadからでも取り出せるということになりそうです。
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ところが残念ながら,現実はそう甘くはありませんでした。
もし,学校の複数台のiPadとNote Anytimeの中身を統一したいと考えている場合,気をつけなければならないことがあります。
「複数台を同時に同期させてはいけません」
必ず一台一台がタイミングをずらして同期をしないといけないのです。
というのも,Note Anytimeの同期は手動同期。同期ボタンを押すタイミングで同期作業が始まります。そして,基本的にユーザーは一人であることを前提に設計されています。
もしもこれを「はい,授業を終わります。ノートのデータを同期してください」と言って,複数の子ども達が同じタイミングで同期ボタンを押すようなことが起こると,同じデジタルキャビネットに複数の同期作業が始まることになり混乱してしまうのです。
正確には,一人以上が同期をすると「現在他のデバイスが同期中か,前回の同期中に中断している可能性があります。このまま続行しますか?」と表示されて,「はい」「いいえ」を選択するように聞いてきます。ここで無理に「はい」と押して続行すると同期作業が混乱するのです。
いろいろ実験して分かったことは,
・同期しようとして質問が出たら,基本的に「いいえ」を押すこと。
・もし「はい」と押して続行すると,同期の情報を保全するためにノートのコピーが生成されること。
・一旦作成したノートを削除したい場合,同じく情報保全のためにそう簡単にはデジタルキャビネットから消せないこと。
・複数台のiPadとNote Anytimeの同期内容を統一したい場合,一台一台同期する作業を2周しないといけないこと。
デジタルキャビネットを使うには,このような事柄を理解しておく必要があります。残念ながら現時点では,複数のiPadとNote Anytimeをデジタルキャビネットで同期する同期して管理する使い方はお勧めできません。
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結局,私が出前授業に行く小学校では,iPadに番号を振って,各児童が使うiPadを決めておくという使い方で,デジタルキャビネットは使わない方向で行くことになりました。
せっかくの機能が活かせず,少し残念ですが,そもそもiPad自体が個人ユーザーを想定したデバイスのため,学校のような複数のデバイスを多数が共有するような使い方には向かないのかも知れません。
iCloudの場合はファイル単位での同期を自動で行なうため,Note Anytimeとはまた違った現象になります。その場合でも同じファイルが同時に同期するとコンフリクトが起こって,どちらのデータを選択するのか選択が要求されます。
とはいえ,子ども達がそれぞれ違うファイルを開いて作業しているシチュエーションを考えると,iCloudのようにファイル単位の自動同期が学校現場には向いているのかなとも思います。
Note Anytimeへの提案としては,ファイル単位での同期を可能にする仕組みを開発していただくか,Dropboxから直接Note Anytimeファイル等の読込み機能をキャビネット画面に追加してもらうかすると,いろいろ応用が利くと思います。
たとえばPDFファイルなどをDropboxから読み出すには,Dropboxアプリから連携してNote Anytimeに読み込むのが現在可能な方法ですが,直接キャビネット画面からDropboxにアクセスできれば,とても分かりやすくて子ども達にも使いやすいと思います。
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いずれにしてもNote Anytimeは,学校で使うアプリの一つとして大変お勧めです。
[FS山形] 20121009 山形県寒河江市高松小学校
フューチャースクール推進事業の実証校めぐりは,山形県の高松小学校にお邪魔することに。東京経由で東北新幹線に乗って山形へ向かい,一泊してから高松小学校を訪れました。
高松小学校は児童数が130数名で,学年1クラスずつという規模の学校です。
当日は,2年生の国語と4年生の算数でした。
2年生の国語はカエル君とガマ君が登場する「お手紙」という題材。登場人物の気持ちを想像して,楽しんで音読することを目指します。
4年生の算数は「2桁でわるわり算の筆算」という単元で,硬貨を使った計算からわり算の性質を見つける活動でした。
いずれに授業もIWBを活用しTPCで作業する活動が含まれたものでした。そして,もはや当然ではありますが,どちらの授業もICT機器の活用云々といったことよりも授業や学習のねらいのために授業をどう組み立てていくのかといったことを中心課題に据えて取り組む中でICTも活用しようという姿勢が根付いていました。
ご好意で授業後の研究ワークショップも参観させていただいたのですが,先生方がそのようなスタンスで真剣に議論されていたのは印象深かったです。
帰りの電車のために中座することになりましたが,皆さんのご好意に甘えながら無事に訪問を終えることができました。
夕方の電車の中からの風景は,とても感じが良いものでした。
20120927 iPad出前授業−小学校編(ノートアプリNote Anytime)
徳島県のデジタルコンテンツ事業に関連して,上勝町にある小中学校に出前授業に出かけ始めました。上勝町は映画「人生,いろどり」の舞台となった町です。
小中学校にはiPadが10数台導入されていて、これを使って児童生徒がデジタルコンテンツ制作に触れることを通して、県としての人材育成を盛り上げていこうというのが事業の趣旨だときいています。
というわけで,この日は昨日の中学校に続いて、小学校の出前授業です。
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小学校では,中学校が写真や動画を中心とした制作になるのとは少し雰囲気が違って、新聞やポスター,チラシ制作といった雰囲気になっています。いままでも紙など使ってやっていた取組みでもあります。
今回はiPadを使って新聞,ポスターやチラシを作る事になったわけです。
けれども,iPadを使っている皆さんはなんとなく想像できるかと思いますが、実はiPadで新聞やポスター,チラシづくりをするのは「できなくはないがたいへん」。
いままで,紙の上に想像力をぶつけて自由に作品を作ってきた小学生に,iPadのアプリを使って同じようなものをつくれというのは,パソコンでつくること以上にハードルの高いことです。何故かというと,それほど柔軟性のあるアプリがないから…。
AppleのPagesやKeynoteがあるじゃないか!
CMを見るといとも簡単に作品を作れそうな雰囲気が伝わってきますよね。素晴らしいデザインのテンプレートもあるし、図形を動かすのも指一本で簡単そうです。
けれども,新聞づくりはテンプレートでできるものじゃありませんし、図形だって異動や拡大縮小ができればいいってわけじゃありません。
テキストボックスを頑張って組み合わせれば,それなりの作品を作ることはできないわけではありませんが、皆さんはPagesやKeynoteがシンプルさを追求するあまり,一つのボタンや階層にいろんなものを詰め込み過ぎていることから目をそらしているのです。
しかもPagesもKeynoteも自由線を描くことができません。消しゴム機能もありません。手書きの文字を見出しに使いたい時にはどうすればよいのでしょう。
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準備段階から,この問題は私を大いに悩ませました。
他にも選択肢は模索しました。ポスターづくりをするのだからドローアプリ(iDrawやTouchDraw)を使ったらどうだろうか、あるいはノートアプリの中から使いやすいものを探そうか。けれどもどれも一長一短。使っていると何かしら自由がきかない感覚に陥るものばかりです。(neu.シリーズのアプリは無料だし,いい線いっているのですが,デザイン等がアメリカン過ぎるのが残念)
いろいろ提案してみたものの、結局は一番馴染みのあるのはワープロだから、ワープロアプリのPagesにしましょう,というのが前日までの予定だったのです。そのための研修も先生たちに向けてしてありました。
ところが運命は,中学校で私たちが写真共有に苦労している間に,新しいアプリをもたらしてくれていました。それがNote Anytimeです。
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MetaMoji社がこの度リリースした新しいノートアプリ「Note Anytime」を知ったのは,中学校の出前授業から帰ってきて,バタンと倒れて起きてから見たニュースでした。
さっそくダウンロードして試してみたところ鳥肌が立ちました。
いままでのノートアプリが備えてきた機能をほとんどサポートし、しかもPDFなどの読み込み書き込みもでき,初代iPadでもストレスなく軽快に使え、操作も直感的です。それでいて無料でリリースされていたのです。
これは使えるんじゃないかと思いました。
けれども,いままでPagesを前提にお話してきたのに,出たばかりのアプリを当日になって持ち出して,子どもたちに使ってもらおうというのは,ちょっと躊躇いもありました。正直なところ、迷ったままで朝から小学校へ向かうことになりました。
少し早く小学校に着いて,機器について若い男性の職員の方からの質問に答えていた時に相手から,どうも子どもたちはPagesの操作が大変みたいだということを聞きました。
ああ,そうか,やっぱり大変なんだ。これはもう提案してみるしかない。
そう思って職員さんに話を持ちかけて「これどう思いますか」と聞いたら,職員さんもNote Anytimeのニュースや噂を聞いていたようで,「確かによさそうですよね」となり,すっかり盛り上がったのをいいことに2人で学校のiPadにさっそくインストール。
というわけで,突然「小学生向けNote Anytime講習」を行なうことになりました。たぶん,日本でも10番目内くらいには入る早さじゃないかな?(小学校の先生の中にもiPadファンはいるので,さすがに1番じゃないだろうと思います)
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結果は上々。
初めてのアプリですが、アイコンも子どもが踊っている感じが探しやすくて良かったし(大人ユーザーには評判悪いみたいですが…)、自由度や柔軟性の高さのおかげで子どもたちがやりたいことの多くにちゃんと使えていましたし、ライブラリもイラストが用意されているという点が子どもたちには嬉しかったみたいです。
ボタンは「ペン」「消しゴム」「投げ縄」「テキスト」のツールと,戻る進むボタン,写真アルバムからのボタン,そしてキャビネットに戻ることが分かれば,あとはいろいろ試して慣れていってくれます。
多少,メニューの言葉遣いや表記が難しかったり(ユニット書式とかDoneとCancelとか)、投げ縄の直後の表示状態にちょっと戸惑ったり(点線の囲みがちょっと印象が強いかな),ポスターつくるためのA3サイズがなかったり(それでもA4とかちゃんと用紙設定できるのは素晴らしい),基本図形がなかったり(直線や丸三角,吹き出しなど)でもう一歩というところもありますが、初めてのリリースでここまで完成させていることに,まずは拍手を送りたい。
先生たちも自由に創作している様子を見て,初めてのアプリだけど好感を持ってくれたような感じでした。Pagesでつくったものも,PDFにして転送すればNote Anytimeに背景として引き継げるので,連携して使ってもいいかも知れません。
6年生と5年生に使ってもらいましたが、どちらの学年も上手に使いこなしていました。5年生は元気な子も多くて、ライブラリ機能のダウンロードを試してみたりと,ちょっと先生にとってはハラハラする感じではありましたが、無料ということもあってとりあえずやってみたらうまくいって楽しそうでした。
そんな感じで,作品づくりへの可能性が少し広がったかなと思えた出前授業でした。新しいアプリに感謝感謝。
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Note Anytimeは,もしDropboxアプリと連携させれば、PDFファイルをダウンロード/アップロードすることも可能になります。つまり,PDFの学習ワークシートをDropboxで配布して、Note Anytimeで書き込ませてDropboxに送ってアップロードするという作業フローが実現します。どちらも無料アプリで。
(※連携するアプリケーションの選択方法がiOS5とiOS6とで変わっています。iOS5ではリストに10個程度しか表示できないそうです。そのため,連携可能アプリが多いと順番次第で選択できないことがあります。iOS6だとアイコン形式で表示をフリックすることで多くの選択肢の中から選べるようです。)
さらに有料の追加機能(アドオン)もあって,手書き変換アドオン(600円)は,手書きの文字をテキスト文字に変換してくれるという優れもの。「7notes」という先行アプリで提供されている機能として,高い評価を得ています。
小学生が,手書き変換機能を使うべきかどうかは議論の分かれるところですが,一つの道具としては用意されていてもよいのではないかと思います。漢字学習への影響云々という問題指摘も出てくるとは思いますが、要するに別途ちゃんと学習指導しているかどうかはアプリの機能一つで左右される話ではないのですから、その辺はちゃんと議論を交通整理すれば解決する話と思います。
私としては,デジタルポートフォリオの活用のためにも,検索可能性を確保できる点で手書き変換機能は積極的に利用してもよいのではないかと考えています。
というわけで,昨日今日はiPadの教育利用について,慌ただしく実践をしていたわけですが、さらに今回リリースされたNote Anytimeの衝撃に興奮さめやらぬというところです。皆さんもぜひ試してみてはいかがでしょうか。
20120926 iPad出前授業−中学校編(写真アプリを使いこなす)
徳島県上勝町の小中学校への出前授業が本格的にスタートしました。(参考リンク:徳島県商工労働部企業支援課「平成24年度 デジタルコンテンツ出前講座実施事業の支援校決定について」)
ご縁があってiPadを活用したデジタルコンテンツ作成の授業を担当することになって、昨日今日と小中学校にお邪魔して児童生徒の前に立つことになりました。テーマは次のとおりです。
中学校「iPadを利用した映像の撮影や編集、CMやポスターの制作について」
小学校「iPadを利用したポスターや学級新聞の制作について」
上勝町の小中学校には,それぞれ初代iPadが10台,iPad2が小学校に1台,中学校に3台という機器構成。電子黒板や液晶プロジェクタは数台という感じの設備です。
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本格的にスタートする前に、夏休み前から学校にはお邪魔して,先生たちにiPadの使い方講習もしました。慣れてない先生もいましたし、異動もあってゼロからのスタート。
私も突然お邪魔する環境で何ができるのかといったところで悩んだりしましたが、改めてiPadの教育利用について整理していく中で,できそうなこともいろいろあることが分かってきました。幸い,有料アプリの購入を認めてくれるという教育委員会の寛大さもあって,準備に大きな苦労はありませんでした。
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26日に中学校を訪れてやったことは,デジタル写真のiPad上での扱いでした。
作品づくりをするために写真が不可欠のことは多いですが、初代iPadで写真を扱うのにはどうしたらよいのでしょうか。
まずiPad自体が,写真をどこに保存しているのかを紹介しました。標準アプリ「写真」です。意外とこのアプリ(?)は奥が深くて、写真や動画のしまわれ方をしっかりイメージしないと難しいのです。
その奥深さの象徴が写真アプリ画面の上にある「タブ」です。条件によって「写真」「アルバム」と2つしかない場合もあれば、「写真」「フォトストリーム」「アルバム」「イベント」「撮影地」などと増えたりもします。
まずiPadの中に保管されている写真をバラバラに閲覧する「写真」とそれをまとめて整理する「アルバム」があることを紹介しました。アルバムは自分で作ることもできます。
そしてどうやって写真を取り込むのか…。
iPad2にはカメラが付いていますから,カメラアプリを使って撮影すれば自動的に写真アプリに保管されますが、初代iPadは残念ながらカメラがありません。
そこでコンパクトデジタルカメラと組み合わせるという方法をとることにしました。幸いデジカメは活動に十分な数が用意されていました(規模が小さい学校なので台数はそんなに必要ない)ので,デジカメで撮影した写真や動画をメモリカード経由で転送する方法を紹介したというわけです。これならアダプタを用意するだけでOK。
メモリカードを初代iPadに繋げれば,写真の取り込み機能が自動的に動き始めますので、実際に目の前で撮影した写真を取り込んでもらいました。
それが分かったら,さぁ実習!
まだ中学校のことを知らない私に向けて,学校のことを伝えるための4コマ作品を写真で作ってくださいという課題を出しました。
デジカメとiPad2を持ち出して,学校中に散らばって素材となる写真を撮影してくれました。そして物語っぽく4つの写真を並べて,いざ発表。いま撮ったばかりの自分たちや先生の写真を使った作品はやっぱり盛り上がりますね。物語になっていなくても,無理やり物語に仕立てる強引さもウケて楽しかったです。
というわけで出前授業修了。
え?という感じですが、まぁ,こんなところから興味をかき立てないとね。次回から本格的にやっていきます。
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写真アプリに関連して,先生方からの相談。
パソコンに整理保管してある写真をiPadに転送するにはどうしたらよいか?
この要求は,デジカメの写真を取り込むより難しいのです。
一つはiTunesソフトを使って同期する方法。けれども,これは複数台に転送するには手間がかかるし、必要な写真がある毎に毎度同期するのが大変。
そこでフォトストリームを活用するという方法がもう一つ。
フォトストリーム機能を使えば,同じApple IDで使用している場合に限って,パソコンとiPad同士でフォトストリーム内の写真を共有できます。お互いが新たに保管した写真をネット経由で自動的に共有できるので手間がない。
しかしこの方法は,フォトストリームという大きなフォルダにとにかく放り込んで共有するという感じなので、順番だとかフォルダごとの整理とかができない。しかもフォトストリームは1000枚(あるいは30日間)までの制限付きなので,溢れると古いものから消えていくのです。
というわけで,すでに撮影してある写真を手間無く共有するって大変だなぁといった感じだったのですが、iOS6になってから新しく「共有フォトストリーム」というものが登場しました。
これは何でもかんでも放り込むフォルダだった「フォトストリーム(自分のフォトストリーム)」と違って,目的別のフォトストリームを自分で作れるというものです。
一般的には自分の写真をWebで公開する機能として宣伝されたり受け止められましたが、外部公開する機能だけでなく、公開しないで自分だけでいくつもフォトストリームがつくれちゃうという機能でもあるのです。
たとえば,中学校なら「1年生フォトストリーム」「2年生フォトストリーム」「3年生フォトストリーム」という3つのフォトストリームをつくっておくと、希望するフォトストリームに写真を選択的に流す(保管する)ことができるのです。
他にも教科別フォトストリームとか,班別フォトストリームとか,そういうふうに分けておくと,実際に使う時に写真が見つけやすいというわけです。
しかも,フォトストリームはネットワーク経由で自動的に同期されますから、わざわざにiPadをパソコンに接続して作業する手間がいりません。パソコン上に整理保管された過去の写真から必要に応じて共有フォトストリームにコピーをしてあげれば,すぐに各iPadに届くというわけです。
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共有フォトストリームは,学校でiPadを使う場合には,かなり有用な機能ですが、残念ながらサポートしているのはiOS6から…。iOS5.1.1までしか対応しない初代iPadの場合は従来のフォトストリームのみです。
そして,まだ調べ足りず不明なのですが、共有フォトストリームにも制限があるのではないかということです。もしかしたら従来のフォトストリームの1000枚制限の中に含まれるかも知れませんし、あるいは別の制限ルールがあるかも知れません。
というわけで,長期に保管する場所として共有ストリームを使うことは難しそうなのですが、その点が不明なことを除けば,とても重宝する機能です。
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そんなこんなで,授業が終わった後も中学校にあるWindowsパソコンとiPadの接続について,あれこれお手伝いしてから、帰路につきました。次回は,修学旅行などの行事が挟まって,少し先になりそうです。