20181204_Tue

研究室は文献資料の山。

研究室環境の改善は恒常的な課題であるが,入口に積まれた段ボールに入っている文献を箱から出して,少しでも段ボールを減らすのは喫緊の課題だ。箱の中では死蔵に等しい。

それで,ただでさえ持ち込み書棚の数が多くて呆れられているところに,もう一本,スチール書棚を追加することにした。これで16本目。設置ついでに室内の他の箇所も整理した。

おかげさまでいくつかの段ボールは消えて,さらにいくつかの資料を処分する決断をした。箱で眠っていた文献資料が顔を出したので今後は手に取るのが容易になる。研究室の入口付近は,多少なりともスペースが拡大し,それなりに書棚の導入効果は出たと思う。

とはいえ,完全にスッキリしたというわけでもなく,焼け石に水だったと言えなくもなく,様子を写した写真を見た人からは「火に油」とこれまた適確なツッコミを頂いた。資料集めが途切れない以上,このわずかに生まれた余裕も年度末には埋まっているのかも知れない。

20181203_Mon

授業と研究室。

卒業研究で学生たちが連絡を取った数学サイトの作者から返信を頂いたとの報告。リンクに関して快諾を頂いた上に展開図の実現方法について詳しい説明もしてくださったようだ。有り難い。さらに「林ゼミ」という文字を含めたことから,当方の研究室であること,受賞されたコンクールの審査に私が参加していたことも,すっかりお察し頂いていた模様。直接挨拶できておりませんこと申し訳ありません。ゼミ生に至らぬ点ありましたら,ご指導ご鞭撻のほど,よろしくお願いします。

採用試験対策講座用の定着テストの作成。

過日,小学校プログラミング教育に関するレクチャーをした講座の定着テストを実施するらしく,そのためのテスト問題を作成する依頼を受ける。

情報活用能力やプログラミング的思考あたりの文言を確認する単純な穴埋め問題になったが,過去問があるわけでもないのでこれでよいものか,作成作業は躊躇いを感じながらだった。

最近は,いろんなことを問い直す必要性を感じる分,結論に至るまで堂々巡りをすることが事のほか多くなってしまった。そうやって考えを巡らせたものの,結果的に出来上がったり落ち着くのは月並みなものだったりして,だったら悩まないで機械的にやっちゃった方がよかったじゃないと思うと,気分は凹んだりもする。

とはいえ,余計な負荷がかかって処理速度が遅くなるとしても,自己チェックをしながらでないと何かを見落としそうで不安なのも確か。もう誰も私に迅速さを求めてはいないのだから,開き直ってじっくり慎重に考える立場をとろうと思う。

20181201_Sat

古本オークションで『知的CAIシステム』を落札。

CAIといえば「Computer Assisted Instruction」の頭文字をとった語であり,コンピュータを利用した教授学習支援のシステムを指す。教育内容と演習問題を用意し,それらを機械的に提示していくことで,学習の進捗を促すものだ。その原型は,1950年代後半におけるスキナーのティーチングマシンであり,1960年代後半のコンピュータ登場でCAIを発展させていく。

単なる機械仕掛けといっても,学習者に合わせた支援動作をするように幾多もの工夫やシステムが組まれたが,1970年前後から,そこに人工知能の知見を取り込もうとしたものを知的CAIと呼ぶようになる。

知的CAIは「Intelligent Computer Assisted Instruction」(ICAI)と呼ばれた後,「Intelligent Tutoring System」(ITS)と呼ばれるようになった。一方,ただのCAIは伝統的CAIと呼び分けられたりもする。

伝統的なCAIが,シナリオを用意する方向性で高度化していったシステムとすれば,知的CAIは,(今回の本の表記に沿えば…)「ドメイン知識」「学習者モデル」「教育学的知識」「インターフェイス」の4つのコンポーネントから構成された複合的なシステムであるというところに特徴がある。

そんなわけで,本書の原著は1987年に刊行された知的CAIに関する理論書であり,関連諸原理を詳しく解説している。

正直なところ,翻訳文が堅くて,英語的に読まないと理解の遠回りが起こりがち。冒頭部分を読んでいるだけなので難しいことが書いてあるわけでもないのに,妙にチンプンカンプンである。とはいえ,いずれ翻訳向け人工知能がブラッシュアップされれば,過去に堅い文章で翻訳された古典を優しい文章の翻訳で読めるようになる時代もくるかも知れない。

1990年代(平成初頭)に入ると次第にCAIへの注目は薄れていくが,昨今は,EdTechという勢いに包まれながら,現代的な知的チュータリングシステムとして蘇っているかのよう。計算処理の高速化などによって,これまでの手法をハイブリッドしたものが登場しているように思う。

そんな時代だからこそ,ちょっと源流を訪ねてみたかった。

そういえば,この本の著者は「正統的周辺参加」論で知られるエティエンヌ・ウェンガー氏であった。なんとも幅の広い人である。

20181130_Fri

金曜日はゼミ一色の日。

卒業研究では,算数・数学アプリ開発で問題解説画面に表示したい立体図形の展開図で試行錯誤が続いていた。JavaScriptやcanvasタグあたりの情報を学びながら,参考になるサイトがないかどうかを探しているようだ。

イメージに近いものとして見つけたWebページについて報告を受け,参考にさせていただく以上連絡を取るべきであるとアドバイスして,そのサイトを学生と一緒に調べたら,なんだか見覚えあるデザイン。

サイトの説明を読むと,学習ソフトウェア情報研究センター主催のコンクールに応募入賞したと書いてある。私はそのコンクールの審査に関わっていたので,道理で見た記憶があるはずだ。『学習情報研究』を引っ張り出して,学生にその旨を共有し,丁寧にお願いするよう念押しをした。

専門ゼミナールは文献講読。

あれやこれやで遠回りをしていたが,ようやく学生たちの発表も本格的に始まった。

20181129_Thu

1週間が過ぎるのは速い。

授業では保育所保育指針の第2章「保育の内容」について触れた。先週のエリクソンの発達段階を振り返って,YouTubeで公開されている保育園での子どもたちの様子を見ながら,それぞれの年齢の特徴なんかを確認していた。

研究室で資料探索。

そもそも論に戻ると,忘れていることがたくさんある。日々のことで手いっぱいになると,記憶を保持する力も弱まってしまうようだ。