20191129「NHK徳島ニュース」に出演

先日,NHK徳島放送局の記者さんから取材を受けました。その際のインタビュー映像を使ったニュース項目が放送され,Webでも期間限定で公開されています。

「SNS利用の未成年被害 2倍超」(NHKニュース徳島)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20191129/8020006324.html

SNSを介して誘い出された子どもたちが誘拐される事件が多発し,その他にもSNSが連絡ツールとして利用された事件が増加しているということで,いくつかの地方局や首都圏のNHKニュースで同様なテーマのニュース項目が報道されました。

NHK徳島の取材を受けることになった日は,徳島新聞の朝刊で先行して受けた取材のコメントが掲載されていました。テレビ取材もその新聞コメントがきっかけでご依頼いただいたものでした。

新聞もテレビも短く簡潔にコメントする必要がありますが,どのようなコメントが掲載されるかは記者さん達の裁量にも寄ります。

そのため,私としては「SNSの使い方を教育することが最優先ではない」という点だけ明確にしようと決めて,いろいろお話をした次第です。

事態への対処にはいろいろなアプローチが考えられます。

SNSが安全に利用できるよう改善するアプローチ,SNSを慎重に用心深く利用するよう習慣づけるアプローチ,SNSの利用を減ずるように働き掛けるアプローチ,SNSそのものを禁ずるアプローチなど。

確かにSNSの利用が見知らぬ同士を引き合わせやすいメディアで,それに端を発して起こっている事件が多くなっていることは事実としても,事件自体はSNSの使い方を気をつければ防げるといったことではないように思います。(もちろん防げるものもあるでしょう。それで件数が減るという話でよければ,その方法を積極的にとればよいと思います)

今回のコメントでは,よく知らない人物と接すること・合うことに対して,「大丈夫…」「まぁいいや,どうせ…」と思ってしまう油断にスポットライトを当てるべきではないかと考えました。

また,仮に悪意を持つ者に連れさらわれたり,あるいは言葉巧みに誘われてついて行ってしまったとして,その途中で「やばいなぁ」「これは逃げ出さないと」と感じた時に,実際行動として逃げられるように自分自身を訓練しておくことが必要ではないかと考えました。

災害に対する非難行動を実践できるように日頃の訓練をする必要性と似ているのではないか。正解というものがあるわけではありませんが,今回のコメントはそんなことを考えてさせていただきました。

これ以外にも,事前に対策できることはいろいろあると思います。学校や家庭で日頃から子どもたちとコミュニケーションを続ける中で,それぞれの対策を見つけ出すことが重要だと思います。

初めてのニュース番組出演で緊張しましたが,貴重な体験をしました。

20191115 メールアドレスとアプリを見直す

金曜日は専門ゼミナールでした。

これまでは学会準備で大忙しだった専門ゼミナールの今後をどうして運営していこうか,いろいろ考えて,少々安易かとは思いますが,得意分野を伝授することに決めました。日常的なIT/ICT活用のノウハウです。

といっても,裏技・隠し技というわけではなく,単にデジタルテクノロジーとサービスに囲まれた日常生活を再確認しながら,便利なものを探して利用してみようという簡単なものです。

今日は所有しているメールアドレスと登録しているサービスを確認してみる取り組み。

Account review

こんな感じのシートを利用して,メールアドレスと登録・利用しているサービスやアプリをリストアップしていきます。普段は特別意識せずに使っている各種サービスをあらためて思い返して確認するのは珍しい作業だったらしく,ゼミ生同士で日常の使い方を披露しながらワイワイと取り組みました。

あのサービスはどのメールアドレスで登録してたっけ…とか,サービスからの通知は全部別のアドレスに届いて見ていないなぁ…とか,キャリアから提供されたメールアドレスのパスワードはどうやって確認すればいいの?とか,そういえば,ヤフーメールもあったなぁ…とか。この機会を使っていろいろ見直しが起こります。

本当は使わないサービスの退会などに話を持っていこうかと思いましたが,意外とメールの利用に関して盛り上がり,「送信タイミングを予約できるといいのに…」といった要望があったので,私が常用しているメールアプリを紹介することにしました。

学生達は,よほどのことがない限り,スマートフォンの標準アプリを使っています。うちのゼミ生達はほとんどiPhoneユーザーなので,Appleの標準メールアプリとなります。

私が紹介したのはReaddle社の「Spark」です。

Spark icon

豊富な機能を含んだ基本部分は無料で使えるので,他のユーザーにも薦めやすいアプリです。

要望があった送信タイミングの予約機能も備わっていますし,届いたメールの自動分類や溜まったメールの既読化の操作など,学生達のウケもかなりよい感じ。様々な機能を試しながら盛り上がっていました。

このアプリに複数のメールアカウントを登録し直す作業を通して,メールアドレスとパスワードの再確認なども捗り,専門ゼミナールの出直しとしてはまずまずのスタート。

次回はメールアドレスとクラウドサービスの関係について確認しようと思います。

復帰

長らくブログの更新が滞っていました。

11月2日と3日に,日本教育メディア学会の年次大会を徳島文理大学で開催したのです。そのための準備やら何やらですっかりご無沙汰をしていたわけです。

学会大会準備に捕らわれていたとはいえ,日常業務は淡々と進行していたわけで,そういう意味では何かが変わっていたわけではありません。それでも,慌ただしく過ごして,いろんなことを放ったらかしでした。

年次大会自体は,なんとか無事にお開きとなり,いまは残務処理をしているところ。いろんなことに少しずつ復帰しているところ。ブログ更新も再開していきたいと思います。

ポスター発表「キャッシュレス時代に対応した消費者教育教材の開発」

日本教育工学会2019秋季全国大会20190907

林向達(2019)「キャッシュレス時代に対応した消費者教育教材の開発」,日本教育工学会2019年秋季全国大会講演論文集, 239-240.

ポスター
https://www.dropbox.com/s/b25dze31dnskcfg/rin_JSET2019.pdf?dl=0

講演論文
https://www.dropbox.com/s/apcv1k711epkpi8/rin_jset201909fin.pdf?dl=0

20190903_Tue 情報教育担当者連絡会議の傍聴

この時期は毎年,全国の都道府県・政令指定都市の情報教育担当者が文部科学省に集まる「情報教育担当者連絡会議」というものがある。

来年度の国家予算について,各省庁が大まかな要求をする「概算要求」の内容が,お盆前後に上がってくるので,それに基づいて上意下達するための場がその連絡会議というわけだ。

連絡会議は,行政事務に関わることであり,しかも未確定事項を多く含んだ情報がやり取りされることもあって,一般に公表されているものではない。

しかし,次年度における情報教育等の方針が全国に伝達される重要な機会であるし,教育の情報化に関わる私たちは直接的・間接的にもこの連絡会議の内容に関わるわけで,そういう意味では,無視できない存在でもあった。

今年度,文部科学省のお仕事をする関係もあって「令和元年度情報教育担当者連絡会議」を傍聴する機会をいただいた。

会議直前の連絡で,予定調整をどうしようか悩んだものの,来年度以降に傍聴機会を得られる確証もなかったので,今回の機会を掴まえることにした。貧乏研究者だから,夜行バスで往復のゼロ泊出張である。

連絡会議は,10時から17時まで,教育の情報化の動向を始めとした話題について,現状認識や今後の方針など予算に関わる情報が伝達され,他にも関連する事項に関して様々な情報提供・事例紹介が行なわれた。

おおむね,一般にも公表されている概算要求の内容に沿った内容だが,文部科学省の担当課による細かな表現ニュアンスによって,各都道他県・政令指定都市担当者が理解を調整するといった感じで進んでいった。

国の概算要求がある程度決まってから,都道府県・政令指定都市レベルに対して伝達する順番とならざるを得ないとはいえ,タイミング的には都道府県・政令都市も自らの予算の枠組みは固まりつつあるわけで,今から新たな予算説得を始めるのは至難の業である。

その上,連絡会議に集まっているのは都道府県・政令都市の担当者であって,小学校・中学校の設置者となる基礎自治体(市町村)の担当者への伝達は,各都道府県の担当者が行なわなければならない。この伝言ゲームによって,国と基礎自治体との間に温度差が発生するのは否めない。

こうした考えれば思いつきそうな障壁課題に対し,連絡会議ではどのような工夫がなされているのかがずっと気になっていた。

しかし,特に連絡会議の場で基礎自治体への配慮がなされているわけではなく,それは(当たり前のことであるが)各都道府県の仕事として捉えられているだけで,せいぜい「早急にしっかり伝達していただきたい」といった言及に留まっていた。

いや,その前に,出席している担当者たちにすら,熱が伝わっていないのではないか。そんな心配すら感じられたのは,私の老婆心に過ぎないのだろうか。

連絡会議を初めて傍聴したのだから,もちろん私の受け留めは素人感想のようなもの。

出席していた担当者たちは,行政の第一線で仕事をしている人たちであって,連絡会議で伝達されたものについて,粛々と処理をして予算の確保なり,基礎自治体への伝達なりを執行していくだけなのだろう。

そんな流れの中で生まれる「これは何のためになるのか?」という問いへの答えに彩りを添えるお手伝いをするのが私たち関係者ということになろうか。

なんかもうちょっと遣りようがあった気がしないでもないが,それはゼロ泊出張で私の頭がふらふらだったからということにしよう。