20150930 岡山県新見市教育情報化推進協議会

 岡山県新見市で教育情報化推進協議会が開催され,外部識者として会議に出席しました。

 文部科学省「ICTを活用した教育推進自治体応援事業(ICTを活用した学びの推進プロジェクト)」の「ICT活用実践コース」に岡山県新見市が採択されたことで,私にご依頼いただいた次第です。

 新見市は,これ以前から総務省「ICT絆プロジェクト」「フューチャースクール推進事業」および文部科学省「学びのイノベーション事業」を利用して市内の小中学校を実証校として学校の情報対応を試みてきた地域です。

 フューチャースクール実証校巡りをしていた私は,iPadを導入機器として選んだことでも話題となった新見市立哲西中学校にお邪魔をしたことがあり,2度ほど新見市に足を運んでいました。そんなご縁もあって,今回,外部識者としてお声がけいただきました。

 昨年には,新見市内6校の中学校に1人1台のタブレット端末が配布されました。

 先行して実証実験に取り組んでいた哲西中学校での成果を踏まえて,「ネットワーク環境」「1人1台タブレット端末」「教室の端末とIWB」「ICT支援員」という4点セットが重要性であるとして他校も整備したそうです。

 現時点で,各校の進捗は様々で,先生方のスキルや意識を醸成しながら,各校のテーマに沿った取組みを加速していくことが求められているようです。

 また対外的には,端末導入による成果を具体的に提示することが求められていて,端的に「学力向上」に結びつく何かしらの数値を求める声も強いのは,関係者として悩ましい課題です。もちろん,今回の新見市の事業は,学習指導の質の向上を通して,その先の学力向上を目指しています。とはいえ,決して小さくはない予算を使っての取組みです。分かりやすい成果を必要とする世界が隣り合わせていることは,どの地域の取組みでも同じことだと思います。

 ただ,ICTの効果に関して,次のように記している文献があります。

「(前略)学習に対する「ICT」の効果に関する議論は、あまりに曖昧で広すぎる。それはまるで、学校教育における本の効果はどのくらいかを尋ねるようなものだ。もちろん、それは本自体に左右されるし、読みのプロセスや学習者、そして期待される成果によっても異なる。同様に、コンピュータ代数システム(CAS)や補習用数学ソフトといった数学のソフトウェアで学習するのと、非同期型学習ネットワーク(ALN)、電子書籍、SMS、Google、コンピュータゲーム、知的認知システム、あるいはWikipediaなどを併用して学習するのでは違う。この点について、エビデンスに基づきながら導き出せる一般的な結論は、次の2点である。すなわち、1)ICT環境の効果は慨して、ICTの特徴のみならず、学習プロセスや成果をモニタリングし、制御し、振り返る生徒の能力によっても大きく左右される。2)以下に述べるように、様々なICTの特徴に合わせて、メタ認知的足場づくりを修正することができる、ということである。(後略)」

(OECD教育研究革新センター『メタ認知の教育学』明石書店2015、
217-218頁)

  つまり,ICTの効果は,活用に際して働くメタ認知の在り方に深く関係するのだとする考え方です。よって,そのようなメタ認知が育まれるためには,盲目的な利用に陥らないように学習活動への配慮をする必要があるということなのです。

 分かりやすい学力向上を示すのであれば,読書やICT活用よりも,ひたすらドリル練習でも繰り返せば結果を示すのは簡単です。しかし,ドリルを解くようなやり方ではこの時代の問題に対応できなくなっているというのが,そもそもの話の発端だとするならば,読書やICT活用をどのように運用すれば課題解決に結びつけられるのか,その能力こそ求められていると理解してもらう必要があるのだと思います。

 「メタ認知」や「自己調整学習」といった言葉は,専門領域では少々過剰摂取されすぎた感も無きにしもあらずですが,そろそろ一般社会における議論において理解してもらうべき段階に来た言葉なのかも知れません。

 今回の文部科学省「ICTを活用した教育推進自治体応援事業(ICTを活用した学びの推進プロジェクト)」では,各自治体において,「メタ認知」の獲得について,どのように分かりやすく指標や記述を表していくのか,そのことが共通して通底する課題になっていくのではないかと私自身は思っています。

 岡山県新見市までは,徳島から電車に揺られて4時間。都合で岡山に前泊してから翌日会議で帰宅するというスケジュールでした。お出かけ前にいろいろあって大変でしたが,なんとか無事に行って帰ってきました。

Raspberry Pi 公式Touchscreen Display

 夏の出張中,研究室にRaspberry Pi公式タッチスクリーン・ディスプレイが届きました。

 Raspberry Pi(ラズベリー・パイ)は教育向けに作られたカードサイズのコンピュータ基盤です。必要な周辺機器を自分で調達する必要があり,使い古しで余っている周辺機器を持っている場合には,それらを流用して安価にコンピュータ環境を用意できるというメリットがあります。そうした特徴が教育向けであることと相まって注目されているコンピュータです。

 ただ,逆に言えば周辺機器を持っていない人は新規購入する必要があるわけで,私はRaspberry Piのためのディスプレイがなかなか確保できず困っていたところ,公式の7インチ・タッチスクリーン・ディスプレイ登場のニュースを聞いたので,入手することにした次第です。タッチスクリーンも気になりますし。

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 しかし,最初はネット上の説明通りに組み立て,パソコン上でSDカードにNOOBSという起動ソフトを入れて「まっさら」から始めようとしたのですが,電源を入れても画面は「まっくろ」。

 ブート用のSDカード作成に問題があるのだろうかと何度もパソコンを変えやり直しても結果は同じ。組み立てに問題があったのだろうかとバラしては組み立て,またバラしてはやり直しても結果は同じ。

 最初に作業をしていた場所にはHDMI対応のディスプレイがなかったので,点滅しているランプからRaspberry Pi側は起動しているだろうと見当をつけながら,まったく反応が見えないタッチスクリーン・ディスプレイの方が不調なのではないかと推測してやり直し作業を続けていましたが埒が明かない。

 「あ〜ん,送ってきた箱も印刷されていない真っ白のものだし,急いで生産した中の不良品にあたったのかぁ〜,あ〜,悔しいっ!」と半ば諦めて,自宅に持って帰ってもう1台のRaspberry PiでSDカード起動し直すことにしました。

 HDMI対応ディスプレイに接続したRaspberry Piの上で「まっさら」起動して基本OSインストール作業を完了。

 その作業完了したSDカードを,今度はタッチスクリーン・ディスプレイとして組み立てたRaspberry Piの方に指して起動。どうせ壊れて何も映らないだろうと思っていたら,いきなり画面が光り出して起動画面が表示されるではないですか。

 「え〜,まっさらで始めようとしたのがまずかったのかぁ!壊れてなくてよかったぁ!」

 そんなわけで,公式タッチスクリーン・ディスプレイがようやく動作しています。

 新たにタッチスクリーン・ディスプレイでRaspberry Piを使い始める場合には,まず他のディスプレイでOSのインストール作業を完了させてからタッチスクリーン・ディスプレイで起動するという手順が必要のようです。

 あてがうディスプレイがないからタッチスクリーン・ディスプレイを導入しようとしているのに,その準備のためにはまず他のディスプレイが必要というのが,私にとっての落とし穴でした。

 さらにこの後,以下のコマンドでアップデートします。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade

 そうしたら,今度はタッチスクリーン・ディスプレイの表示が上下ひっくり返ってしまい,また問題発生。これはどうやら既知の現象のようで,/boot/config.txtファイルに「lcd_rotate=2」と書き足して再起動すると直ります。

 これで準備完了です。

 なお,公式タッチスクリーン・ディスプレイは日本でもRSコンポーネンツが販売しています(Raspberry Pi 7″ Touch Screen LCDの販売ページ)。世界的にも注目されて,生産が追いつかない状態のようです。

りんゼミの始動

 私が在籍している大学は連休明けてから後期授業を再開しました。配属が変わって初めての後期授業は,新しく担当する科目もあったり,再構築が必要な授業があったりと,なかなか慌ただしいです。

 新たに担当するものの一つが「専門ゼミナール」です。

 ほぼ10年ぶりにゼミ生を迎えることになり,不安もありますが、楽しみでもあります。担当ゼミ生は3年生3人からスタート。卒業までの1年半の間,りん研究室のゼミ生として過ごしてもらいます。今後,軌道に乗ったら,このブログにも登場してもらおうと思っています。ちなみに毎年新たな3年生が加わる予定なので,規模は少しずつ大きくなると思います。

 そんなわけで「りん研究室」は,私が自分の研究や活動を展開する「りんラボ」部分と,学生たちと共にゼミナール活動を展開する「りんゼミ」部分で構成していくことになります。このブログは,それらを合わせてお伝えしていく場所とします。

 初回のゼミは1人お休みしてしまったので,2人の学生と共に。

 学生たちの意向も大事にしたかったので,特定の方向性は設けずに募集したのですが,2人ともICTに関しては興味関心があるようなので,教育と情報に関連したテーマを扱っても問題なさそうです。個々人の取組みとともに,ゼミとしての取組みもあれこれ考えていきたいと思っています。

 そもそも,りんゼミとしてはICTツールを日常の学習や研究に積極利用してもらうことを通して,テクノロジとの関係を深めて欲しいと考えていたので,各自何かしら情報デバイスを手にしてもらうことに決めていました。

 といっても今回のゼミ1期生は,何をやるのかも不明なゼミに飛び込んできたわけで,そういう心の準備もなければ,道具の用意も大変です。幸い3人だけであることと,立ち上がりは揃いの条件で助け合いながらゼミの文化を作って欲しいというこちらの意向もあったので,3人には卒業までiPad Air 2と付き合ってもらうことにしました。

 大学はGoogle Apps for Educationを契約しているので,クラウドサービス利用の条件は整っています。デバイスの選択肢としてはChromebookやNexusタブレット(Android)もあり得ましたが,やはり最初にiPad抜きでは始められないだろうという私の一存でiPad Air 2にしました。

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 学生は,1人がAndroidスマホ利用者で,もう1人はスマホではない電話派で四六時中携帯するわけではないという非アップルユーザーの2人。そんなゼミ生に開封からiPadのセッティングをやってもらいました。

 大学の無線LANへの登録がまだなので,私の持ってきたWiMAXルーターに接続しながら設定作業。卒業時に後輩へ引き継ぐまでは自分の情報ツールとして利用してもらうためApple IDもiCloudメールアドレスを新規作成するやり方で登録してもらいました。その方が卒業後に自分でデバイス買って移行しやすいでしょうから。

 作業完了確認のため私にメールを送信するところまで行ないました。あとは一緒に渡した解説ムックを手がかりに使ってもらいつつ,ゼミの時間にGoogle関連アプリや大学アカウントとの連携方法などを習得してもらおうと考えています。Microsoft Officeアプリもあるっていう状況は,使うにしても使わないにしても心強いです。

 来週,ゼミ生からの報告が楽しみです。

 来年度以降のゼミ生は,いろいろデバイスを散らばらせようかなと考えています。お古のタブレットやスマートフォンをかき集めたり,ChromebookやAndroidタブレットも混在できるように,今から各種デバイス混成対応のクラウド利用ノウハウを積み上げていきたいと思います。

 というわけで,いろんなことが平行して走り始めている「りん研究室」です。

近況報告

 寂しいニュースに接してから,しばらく日々の慌ただしさに流されて,ブログの更新が滞ってしまいました。いろいろ書きたいこともあったのに,どう書き始めるべきか考えているうちに時が過ぎるといういつものパターンです。

 さて,ブログの名前を「りん研究室」にしました。URLは「rinlab」を踏襲しますが,後期から専門ゼミナールが始まるので,場合によっては「rinsemi」という表記も出てくる予定です。りんラボかりんゼミかで悩むのも面倒なので,ブログの名前は日本語表記の「りん研究室」にします。「りん研究室ブログ」をどうぞよろしくお願いします。

 少し前にChromebookを手に入れました。

 職場がGoogle App for Educationを採用して本格運用を始めたので,本務に関わる環境はGoogleアカウントでまとめられるように環境構築することにしました。

 そして,学生たちも同様ですから,学生向けの情報端末としてのChromebookを使わせるのはどうだろうと関心が高まったのです。

 実際に使い始めて,そのシンプルさに驚きました。

 特定のアプリケーションの利用に縛られるのでなければ,多くの仕事ははChromebook上で作業することができます。起動が素早く,動作も軽快で,システムの管理も簡便なので,変なストレスを感じることがないのは好印象です。

 Windows10も軽快さを取り戻してなかなか評判が良いですが,まだ始まったばかりのOSですし,ウイルス系の話は依然として無視できません。教育機関での大規模利用においてはGoogle Apps for EducationとChromebookの取り合わせに優位性もあると思います。

 今後もノウハウを貯めていく必要があるだろうと思い,Facebookd上にグループを作ったりしました。いろいろ試していく予定です。

 研究室の動向としては,後期から3人の学生を受け取れることになりそうです。まだ確定ではありませんが,特に問題なければそうなります。

 というわけで,3人なら研究室としてiPadを新規導入して常時使わせるという試みを始められそうです。iPadの教育利用を中心としたゼミ活動というコンセプトで進めようかと思います。

 

20150116 大阪市むくのき学園公開授業研究協議会

 2015年が始まって,1月下旬に入りました。20日間ほどに公私いろんな出来事があって,数ヶ月経過したような感覚さえ覚えています。それだけ賑やかな年になりそうだということでしょうか。静かに文献資料整理しようとしていた一年の計は,早速危うくなっています。

 今年の出張は,大阪市・学校教育ICT活用事業の公開授業参観からスタートでした。モデル校に置かれるコーディネーターとして小中一貫校・むくのき学園を担当しています。といってもお伺いする回数も限られたので,なかなかお役には立てていませんでしたが,断片的ながらもこの一年間の変化を見守らせていただきました。

20150116a 20150116b

 小中一貫校になると同時に様々な取り組みをスタートさせたものですから,子供達も先生方も大変じゃないかなぁと心配や不安で関わりはじめたのですが,ほとんど杞憂に終わりました。もちろん子供達も先生方も一所懸命で日々ご苦労も絶えないと思いますが,ICT活用の関しては常駐支援員さんの助けも大いに借りながら順調に進めてこれたようです。

 この日の公開授業も,見た目の場面に目新しさがあるというわけではないのですが,子供達にしても先生達にしてもICT機器に対する姿勢が少しずつ成長してきた成果が裏側に見えて,いよいよこれから本格的な試行錯誤にも乗り出せそうな感じです。

 この日の講評は,学校教育ICT活用事業の全体アドバイザーである先生方がお越しになったこともあり,土台のお話はその方々にお任せをして,私はむくのき学園の一年間の成長と教育とICTの関係について俯瞰的な視野からのお話をしました。

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 さて,実は当日,こんな発表とニュースがありました。

【お詫び】「大阪市学校教育ICT活用事業タブレット端末等機器長期借入(リース)契約」にかかる入札を中止します」大阪市教育委員会(9:40発表)

[ネットニュース記事]

職員が特定業者に情報漏洩 大阪市教委、タブレット入札を中止」産経ニュース(12:13)

大阪市、タブレット端末の入札中止…業者に情報流出」スポニチ(12:41)

【情報漏れ】授業用タブレット入札中止 大阪市教委」ABC WEBNEWS(12:46)

教材タブレット端末の入札 情報漏えいで中止に」関西テレビ放送(15:22)

【情報漏れ】「組織ぐるみ」認める タブレット入札中止」ABC WEBNEWS(16:43)

タブレット入札中止 大阪市職員情報漏洩か」NNN(17:58)

小中学校への「タブレット端末」導入延期」MBSニュース(18:47)

大阪市が学校向けタブレットの入札中止、特定業者に情報漏洩」ITpro

 発表やニュース自体は驚きですが,公開授業などモデル校での取り組みには直接影響するものではないので,私たちは淡々とその日の仕事を進めたのでした。

 大規模なタブレット端末導入の案件は,橋下大阪市長の肝いりともいえる取り組みだっただけに,この日の退庁ぶら下がり取材でも市長自身「残念です」を繰り返していました。

 私は入札中止に関しては報道されている以上の情報は知りません。

 関わっている教育センターの「学校教育ICT活用事業」は,入札の際の参考となる研究成果の報告を出すことにはなっていますが,入札は基本的に教育委員会や管財関係の部局が責任を持っています。

 報道では,教育センターの職員が入札公表前に仕様書を渡してしまったことが問題となっていますので,たぶん教育委員会の人が教育センターに相談する時に仕様書案を見せてしまったためなのでしょう。それをまた相談するつもりで業者に見せてしまったんじゃないかと思います。結果的に巻き戻してみたら,漏えいに該当していたということなのかなとも思います。もちろん真実は知りません。うっかり八兵衛なのか,黒い陰謀なのか,どちらにしても不用意であったのだろうと思います。

 去年の8月29日に大阪市教育委員会は「学校教育ICT活用事業の検討にかかる情報提供依頼(RFI)」というものを発して,外部から情報提供を受けるために仕様はこんなのを想定していますといった情報を公開していました(いまは終了したので削除されています)。

 関係者が読めば,大阪市がどんな入札の仕様書を描こうとしているかくらいは,そこから推し量れてしまいますので,仕様の内容を秘匿できなかったことが問題なのではないと思います。入札公示で初めて公開される「仕様書」そのものが公示前に外部の手に渡ったという事務手続きの過誤が問題とされていると考えられます。

 でもそれも正確には分かりません。正式な仕様書だったのか,情報提供を求め相談している最中に作った仕様書案なのか。発端となった「匿名の情報提供」者がどのように問題を指摘したのかも,報道からは何も分からないのです。分からないままに「組織ぐるみ」と表現する報道もあって,そりゃ組織ぐるみで情報提供を依頼していたのですから間違いではありませんが,記事の書きぶりはすっかり陰謀論です。少しでもこうした報道に対する批判的リテラシーを発揮しなければなりません。

 私は以前の職場でパソコン教室整備のための入札を進めた経験があります。あのときも普段お付き合いしている業者さんに情報を提供してもらいつつも,しかし入札に関わる正式な情報は公平を期して取り扱って事務を進めていました。とても気を遣う仕事で,もう終わった時はぐったり。それに開札後には,落札できた業者さんとできなかった業者さんと引き続き平等にお付き合いしなければならないので,結果についても責任を持たないと気まずくなります。そうでなくても向こうが凹んでいたりするので,こちらが励ましてあげたりすることもありました。普段から人間関係と仕事の緊張関係をきっちり分けつつ両立していないと,そういうシチュエーションになった時にすごく困るわけです。

 そうやって気をつけても,何かしら疑いの目を向けられて,ありもしない問題をでっち上げられたら,すべてのことがストップしてしまうのは避けられません。特にネットによる情報の行き交いが激しくなった現代ならなおさらです。私たちは,とても難しい世の中を生きているのだなとあらためて思います。