普通の授業日。
授業の準備をしながら,なんとなくネットの情報を眺める。ソフトバンクが「成層圏通信プラットフォーム」事業を発表していた。
以前,Googleが気球を浮かべて通信インフラを確保する事業を計画しているという話題を見たことがあったが,そのときは「気球なんて風に流されちゃうじゃないの?どうやって通信インフラとして維持するのだろう?」と不思議に思った。そのまま忘れていた。
今回のソフトバンクの発表をあとから動画や資料でみて,成層圏に飛行物体を展開することで安定したインフラを構築できるということが初めて分かった。理屈はシンプルだが,それを事業として実現しようとするあたりにロマンみたいなものを感じた。
飛行機体タイプと気球タイプのそれぞれ異なる方法をとる海外企業と組む形で,これら飛行物体を成層圏(上空2万メートル; 20km)まで上げ,安定した飛行を持続させつつ通信インフラとして機能させ,数ヶ月単位でどんどん機体交代していくという手法らしい。
数ヶ月単位で飛行しながら上空に留まり,エリア内の電話やIoT通信をカバーする。いままで電波塔では届き得なかった圏域にも上空2万メートルから直接電波を届けられるのだから,なるほどドローンや自動運転自動車の通信にもってこいだ。
まずはインターネットなどの通信インフラが整備されていない国に向けてサービスすることを優先するというが,数十年後には日本の上空にもこうした成層圏通信プラットフォームが張り巡らされるのだろうなと思うと,あらためてSFっぽい世界がやってきたんだなと感じる。