ブログの更新も滞っていて,久し振りの更新です。
この夏は出張お出かけも多かったのですが、書き物仕事も連続していたため、意識も旅に出ることが多かったです。昨日までは,10月の研究会で発表する原稿を最後の最後の最後まで粘って修正していました。
先週末から後期の授業も始まり、そろそろ通常営業しなければならないのですが、とにかく原稿のことが頭から離れず、出来上がって提出した今でもまだ気になってしまいます。
—
今回,書きたかった原稿の一つを書いたように思います。
皆さんの中にも,いざ勉強を始めようとしたものの,机や部屋の散らかりが気になって,掃除を始めてしまう人がいると思います。私はその典型なのですが、今回の原稿もそんな感じで取りかかった掃除のような研究ノートです。
教育の情報化に関するお仕事に関わるようになって,この分野の過去のことを参照したり触れなければならない場面に遭遇するようになりました。ところが、この分野の歴史について概観するのに都合の良い文献がほとんどないことに気が付きました。
研究背景を語るにしても、共通して拠り所となる文献資料がなく、個々の研究が個別に過去を遡って記述するということの繰り返しでした。
私もまた,何かを研究したり論じ始めたいのだけれど、過去の事柄が手際よくまとまっていないために先へ進むのが躊躇われる感覚を抱き続けていました。
それで,教育の情報化に関する歴史を遡る活動を始めたのが昨年でした。お覚えでしょうか、このブログでも活動宣言した「教育情報化の後先」プロジェクトです。
その活動成果の一端を,10月27日に岡山で開催される日本教育工学会の研究会でご披露することになりました。題して「日本の教育情報化の実態調査と歴史的変遷」という研究発表です。
4頁弱の年表は,分量こそ少ないですし事実の寄せ集めにしか過ぎませんが、自分なりにエネルギーを注いだつもりですので,ぜひご覧いただきたいと思っています。
原稿にはブログに書いたいくつかのアイデアも詰め込んだので,これでようやく机の上の掃除が終わったという感じです。
—
ところで研究発表題目の「実態調査」部分って何かというと、文部科学省が続けている「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」のことです。
これも掃除しておきたかったネタなので、この機会に一緒にやってみました。残念ながら機器の台数に関してだけで,インターネットとか教育の実態とかには触れられなかったですが、過去に遡ってデータを並べ直し,グラフ化しました。
これも飲み会の噺のネタにぴったりですのでご笑覧ください。
カテゴリー: 話題
20120622 New Education Expo in Osaka
NEE2012大阪会場で開催されたセミナー「日本−韓国,未来の情報教育」というセミナーに登壇してきました。
基本的には韓国からのゲストの発表と日本からの視察報告を中心として企画されたものですが,私は日本のフューチャースクールについてご紹介する役目でした。
韓国の教育に関わる実情を垣間見ながら教育の情報化について聞くことができたので,単に進んでいるということだけでなくて,求めているものの違いについても考えることができたセミナーではなかったかと思います。
たとえば,韓国では
・若者にとっての厳しい社会的現状がある。よって学習の動機も強くなる。
・日本と比べて大学進学率が9割であるし,TOEICも900点が当たり前。
・情報化に関しては,さまざまな試みは日本の方が多いと思われる。
・デジタル教科書には「指導者用」と「学習者用」の区別はない。
・2015年にはデジタル教科書に「切り替える」のではなく「選択できるようにする」。
・選択するのは教育委員会や学校の先生や校長先生であり,どう使うかも先生が決める。
・2008年からのデジタル教科書に関する成果は専用のWebサイトで発進している。
・「デジタル教科書」には「e教科書」と「デジタル教材」の二つがある。
・韓国の教室の電子黒板は70インチ以上が一般的。
など,いろいろ教えていただくことができました。
韓国の教育の情報化を担っているKERISには,毎週のように視察の人々がやってきて業務に支障が出るほどだという裏話もあったりと,ざっくばらんに展開。
その他,韓国の世宗市につくられたモデル学校である韓国版フューチャースクールの視察報告では,現在考えられる限り最先端の学校設備の様子を見せてもらいました。
残念ながら,登壇者人数分のマイクがなかったため,私が得意な割り込みで根掘り菜掘り聞くというスタイルはできませんでしたし,時間もなかったため議論もできませんでしたが,なかなか興味深い会になったと思います。
本当は大阪という場所ゆえに,話題に上っている大阪の教育情報化の取り組みを意識した意見交換もしてみたかったのですが,残念ながらそれは叶いませんでした。
—
というわけで,なんとかお役目を果たしました。実は2007年の東京会場で初めて登壇して以来5年ぶり。次回は2017年頃に呼ばれたらラッキーという感じでしょうか。とにかくいろいろ勉強になったNEE2012でした。
平成24年度開始
本年度もりんラボをよろしくお願いします。
平成24年度は総務省フューチャースクール推進事業も最終年度に入り、地区担当研究者としての仕事も最終年です。文部科学省の学びのイノベーション事業も平行しています。平成25年度のことは決まってないので、いまは何も分かりません。
その他、それに伴った仕事がぽちぽち入る感じです。
それから教育情報化の歴史を追いかけるプロジェクトを始めています。今度はこれで科研が書けんかなとぼんやり考えています。
今年度は中学校と特別支援学校でフューチャースクール推進事業が始まりましたので,個人的に行脚してみようと思っています。
たぶんこれで今年度はいっぱいいっぱいです。
職場の授業も図書館司書資格関係の科目に変更があったので、新しい授業づくりも進めることを考えると、相変わらず慌ただしい一年になりそうです。
それから、来年の一月下旬には英国のBETTへ行きたいと考えています。貯金しないとなぁ…。 ^_^;
20120321 文部科学省に訪問
午前中からあちらこちらに出かけていました。
予定していた用事を一通り済ませて、さて、どうしようかと思案。夕方近いけれど,文部科学省に行ってみようかと思いつきました。ダメもとでふらっと寄ってみることに。
お忙しかったのかも知れませんが、快く歓迎いただいて、いろいろおしゃべりをしてきました。調子に乗ってしまって2時間近くも長居をしてしまいました。
—
学びのイノベーション事業についても、来年度のこと慌ただしく準備されているようでしたし,調査事業のことなどもあれこれ取り組まれているようでした。
そうそう、こんなものも登場…
初代ですが「ちゃんと文科省にもありますよ」だそう ^_^ 。前任者の方が導入したものが箱にしまってあったんだとか。iPad用文部科学省デジタル教科書もこれで試されたそうです。
—
事業に関わる以上、いろいろ話を聞いて深く理解をしようと思うのですが,いろいろ聞き過ぎると悩ましいことも増えてしまい、難しいですね。
もう一度、政治の世界でバーンと動き出してくれれば近いところで何かを変えられそうな気もしますが,私たち、普通に事業に関わる者は従前のルールに縛られながらやるしかないので,どうしても手間がかかります。
そうはいっても枠の中で起こせるイノベーションがあれば、積極的に探しだしたいなとぼんやり考えながらの訪問でした。
メモ 20120220
あれこれ雑事に手をこまねいているうちに時間ばかりが経過します。大阪出張から戻ってから、研究会の原稿書きと出席や、授業の出欠処理や試験の採点、公開研究会の発表準備など、のんびり屋の私にとっては慌ただしい日々です。
隙を見つけて、情報探索やウラどり作業、文献読みや年表づくりなんかをやると、気がつけば真夜中みたいな感じです。
「教育情報化のあとさき」プロジェクトは、出力は止まっていますが着実に情報収集は進んでおり、年表も長くなってきました。まだ分野横断的な部分が乏しいためまだまだ深化中ですが、一区切りついたら再開しようとおもいます。
フューチャースクール推進事業、今年度最後の公開授業は東京の本田小学校です。参観する予定ですので、そこで今までのものも含めてまとめたいと思います。
来月はイベント事が目白押しで、毎週のごとく東京へ出掛けることになりそうです。健康には気をつけないと…。