文部科学省 学びのイノベーション事業は,平成23年度から始まりました。私は1年先に始まっていた総務省 フューチャースクール推進事業の徳島小学実証校で担当研究者をしていましたが,両事業が同じ実証校を共有して事業展開することになり,必然的に関わりを持つことになりました。
平成26年3月は,両事業の締めくくりの会議が行なわれる月。2014年2月20日には総務省のフューチャスクール推進研究会が第7回を最後として行なわれ。2014年3月17日には文部科学省の学びのイノベーション推進協議会が第6回で最後を迎えました。
昨年度から学びのイノベーション推進協議会・小中学校ワーキンググループ内の指導方法等検討ワーキングチームで仕事をさせていただき,その成果が報告書に掲載されるということもあったので,すべての締めくくりとして協議会を傍聴しに行きました。
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学びのイノベーション事業実証実験報告書は,事業の中で行なわれた取組みの成果を報告するものです。短時間で読み込むのはなかなか大変な分量で,事前に内容が届いていたとはいえ,協議会の場に揃えられた資料と合わせて吟味し意見を述べるのは大変です。
それでも事務局側からの説明や作成に関係した委員からの発言も踏まえながら,この3年間を振り返りも含めた委員からの発言が進みました。そのときの様子はICT教育ニュースのWeb記事でも紹介されています。
記事に触れられている以外にも,委員からの発言には,「こうした成果をこれからの教育課程に位置づける必要がある」「教員養成の現場でのカリキュラムにも具体化しなければならない」「1人1台時代の教育内容にふさわしい教材コンテンツの充実が大事」「文部科学省内の縦割りを超えた連携が期待される」など,考えるべき重要な論点がたくさんありました。
報告書は8章に分かれており,事業成果を報告する1から7章に対して,第8章が今後へのメッセージということになっています。正直なところ個人的には,報告書案段階の内容でもたくさんの要素がありすぎるなとは思うのですが,やはり今後の情報教育/教育情報化の取組みの拠り所にもなるので,いろいろな意見が挙がってきて,さらに増えそうな感じです。どうぞ読まれる際は根気よく読み解いていただければと思います。(昔の私なら容赦なく批判する点なのですが,立場が変わるとダメですね,ほんと。)
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この日,行なわれたのは,私が仕事をしたチームやグループの親会です。私は親会のメンバーではないので,基本的にはご一緒する機会はありません。それでもわざわざ傍聴に来たのだからと事務局の皆さんが懇親会の場に誘ってくださいました。
それでも,普段テレビで観るような親会の委員の皆さんを目の前にすると,私は片隅で小さくなって,場を眺めるので精いっぱい。インターネットの父と呼ばれる村井純先生も至近距離にいらっしゃったので,挨拶しようかどうしようかと心の中で迷ってましたが,これはそういうタイミングではないとグッと我慢して,懇親会も傍聴してました ^_^)。
写真の3人の談笑は,なかなか目撃し難い機会。この先生方の伝説がよい意味で情報教育や教育情報化に影響してくれればいいなと願いつつ,この4年間に全国を駆け回った自分のご褒美として懇親会を楽しみました。
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報告書は最終的な作業をして,皆さんに届くのは4月ないし5月ごろになるのではないかなと思います。今回の事業が理想型というわけではなく,それぞれの学校で新しい取組みを生み出す際に事業や報告書を踏み台にして欲しいというのが事業の目的でした。そのことが理解されることを願っています。