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2023年10月4日(水)に四国放送が次のようなニュースを報道しました。
高校の生徒に配布の端末で故障多発【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
archived 15 Oct 2023 06:41:21 UTC
今年度(2023年4月以降)に入ってから9月末時点でタブレット端末の故障台数が2859台。
昨年度の約4倍。全体台数の17%(約2割)。うち2312台はバッテリーの熱膨張。7月末から故障報告急増。
最初は「なぜこのタイミングでいまさらニュースに?」と不思議な受け止めでした。
端末不調や故障なんて、徳島の学校タブレット端末にとっては目新しい話題でもない。電波法違法状態のニュースも春にやったばかりで、その後の顛末について後追い取材も報道もしていませんでしたから、そんなに関心もないネタを、またわざわざ取り上げるなんて珍しいとさえ思えました。
ただ翌日の木曜日には続報が入り、知事が囲み取材で質問に答えている様子が放映されました。
県立学校で配布のタブレット端末故障多発問題 知事が検証を指示【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
archived 15 Oct 2023 06:42:49 UTC
発注経緯まで遡って検証させる…とは、いきなり腰上げてきた感じなので驚きでした。
次の日の金曜日に大学の研究室で仕事をしていたら電話。四国放送の記者から電話が入っているというので、そのまま電話取材を受けました。
すでにブログなどに書いたことを問われるままにお答えしたら、その日のうちに撮影取材をすることになり、それっぽくテレビ出演しました。ネットにはコメントのみ。
県立学校に配布のタブレット端末故障多発問題 県が緊急対策会議【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
archived 15 Oct 2023 06:43:44 UTC
取材を受けた際に記者さんとのやりとりをしている中で、県教委から報道関係者に資料配布されていたことを知りました。
なるほど、今回のニュースは県教委発信だったようです。
想定外の故障台数の増加は、すなわち想定外の修理費の増大ということになり、県議会開催中だったこともあって、何かしら報告せざるを得なくなったという流れじゃないかと思われます。
〈追記〉
県知事の活動記録を見ると、10月4日に「県立学校長との意見交換会」があったようです。
活動記録(2023年10月第2週)|徳島県ホームページ
県議会開催中だからというよりも、現場の県立学校長たちからの意見として上がってくることになって、知事が直接知るところとなったようです。検証を指示することになったのも、その流れとしてなら自然です。
〈/追記〉
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翌週はNHK徳島も追っかけ報道しました。10月10日(火)のニュース。
学校配付のタブレット端末で相次ぐ故障 校長会で陳謝 県教委|NHK 徳島県のニュース
【NHK】県立学校に配布されたタブレット端末に故障が相次いでいる問題で、県教育委員会は臨時の校長会議を開き、陳謝しました。 県は国の「GIGAスク…
もちろん四国放送も
タブレット端末故障問題 県教育委員会で県立学校校長による臨時会合【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
archived 15 Oct 2023 10:10:54 UTC
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さらに10月13日(金)には会議や知事定例記者会見などがあったことなどが報じられました。
県立学校のタブレット端末の故障問題について後藤田知事が「早急に対策講じる」と述べた【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
archived 15 Oct 2023 08:21:38 UTC
タブレット端末故障問題 知事“法的手段も含め厳正に対応”|NHK 徳島県のニュース
【NHK】県立学校に配布されたタブレット端末に故障が相次いでいる問題で、徳島県の後藤田知事は13日の会見で「法的手段も含め厳正に対応する」と述べ、必…
知事の定例記者会見はYouTubeでも公開されています。
徳島県知事 定例記者会見(令和5年10月13日)
定例記者会見の模様をお伝えしています#徳島県 #記者会見 #徳島県知事
緊急対策会議も開催されたようです。
県立学校のタブレット端末の故障問題について県が緊急対策会議【徳島】県内ニュース|JRT四国放送
徳島県内の県立学校で一人に一台配布されているタブレット端末の故障が相次いでいることをうけ、県は13日、緊急の対策会議を開き、志田敏郎副知事が専門家による検証を行うよう指示しました。
会議には、志田敏郎副知事や榊浩一教育長、それに県の関係部局の担当者が出席しました。
専門家も入れて検証するらしいですから、鳴教大か、徳大か、四国大からどなたかが参加するでしょう。
「徳島の学校タブレット端末」という表現をしてしまっているため誤解を生むかも知れません。
○小中学校 → 県内の市町村が入札実施したもの(共同調達はアジア合同会社が落札)
○高等学校 → 徳島県が入札実施したもの(四電工が落札)
今回の報道で問題視されているのは「県立学校」(高等学校)が導入したタブレット端末に関する問題が取り上げられています。
このブログでは徳島県内の市町村が共同調達した小中学校の学校タブレット端末についてメインで触れていましたので、(両者に共通の電波法違反状態問題があったりと)細かなところがゴッチャになってしまっているかも知れません。
たとえば、この2件は、どちらもCHUWI社のタブレット端末を導入したという点で共通していますが、細かい点で言えば機種は異なります(小中学校はHi10X、高等学校はUBook)。
また、落札業者が異なりますし、予算補助の枠組みも異なります。契約内容も異なるはずです。
高校タブレット 発注検証へ
【読売新聞】「1人1台端末」として県立高校などに配備されているタブレット端末に多数の故障が発生している問題で、後藤田知事は13日、再発防止に向け発注の経緯を検証するよう指示したことを明らかにした。保証期限は既に切れており、3000台
この辺は、検証チームがしっかり調査して報告をまとめてくれると思いますので、期待して待つことにしましょう。私たちとしては、分かっていることについてはゴッチャにしないように気をつけておくことです。
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それから、思い出していただきたいのは、あの当時、世界的に半導体不足が叫ばれており、コロナ禍に襲われて在宅リモートワークによる端末需要の高まりで、情報端末の確保は競争状態でした。
日本全国の自治体が同時期に学校タブレット端末やパソコンを調達しようとしたわけで、そこでも競走が発生していたということになります。
徳島県はどちらかといえば出遅れグループでしたから、その入札に参加する事業者を集めること自体が困難な状況だったのです。名の知られたブランドの端末を確保することも絶望的な状況です。
〈追記〉
一社入札になってしまった経緯は報告書などで明らかにされると思いますが、参加予定だった事業者は他にもあったという話も聞きました。
〈/追記〉
それでもGIGAスクール構想の実現をするため整備しなければならないというお尻の火がついていたために、いろんな人々の努力や思惑の末に行きついたところが中国メーカーの端末だった…ではないかなと思います。
先行した小中学校の端末入札がそういう感じだったので、後発の高等学校の入札もそれに近いものがあるか、さらに厳しい状況の中で、お願いお願いが飛び交って展開したのではないかなと…あくまで推測ですが、いろいろと複雑な事情があったのではないかと思うのです。
それもこれもちゃんと検証チームが報告してくれたらスッキリするのになと思います。