いよいよ師走も下旬に突入。クリスマスなどで賑やかな気分も漂ってきますが,片づけの変わらない宿題が積み上がっていて頭の痛い時期でもあります。
最近,サーバーのお引っ越しやハードディスクの修復と古いデータの整理,そしてポッドキャストの編集など,パソコンの前で作業するばかりの日々。時間もあっという間に過ぎてしまいます。
そういうこともあって,最近は「クラウド」について考える機会が多く,「パブリッククラウドサービス」と呼ばれるものへ関心を寄せています。
そもそもクラウドというのは,インターネット上のサーバーシステムのための基盤技術で,一般の利用者にとっては意識する必要のない代物です。それでもクラウドという技術によってインターネットサーバーが支えられるようになったおかげで,私たちは至るところでインターネット絡みのサービスを快適に享受できるようになったのです。そういう意味では重要キーワードとして知っておきたい言葉ではあります。
私が「パブリッククラウドサービス」が気になるというのも,私がWebサイトとかブログを自分自身で運営しようとする時に,こうしたクラウド技術のサービスを個人で利用できるからです。
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一般的に,Webサイトを構築するとかブログを解説する場合,「レンタルサーバー」というサービスや,「ブログサービス」というサービスに加入するか登録するかの方法と,自前でインターネットに接続したコンピュータを用意する「自前サーバー」という方法があります。
レンタルサーバーやブログサービスを利用すれば,サービス提供会社がサーバーコンピュータを代わりに用意し貸してくれるので,自前でサーバーを用意する必要も管理する手間も省けます。
いずれにしても,こうしたやり方は,どこかにサーバーコンピュータを用意するというやり方です。
しかし,コンピュータの技術が進み「仮想化」という考え方が主流になってくると「コンピュータを用意する」ときに「本物のコンピュータを1台用意する」のではなくて,本物のコンピュータ1台を高速処理で素早く使い分けて「仮想のコンピュータ複数台分」として新しいサーバーコンピュータを用意するようになっていきました。
つまりサービス提供側の会社にとっては,本物のコンピュータ1台で,サービスで貸すコンピュータ数台分を賄えるというおいしい話になるわけです。逆に言えば,コストが安くなるので低価格でレンタルできるようになる,あるいは無料でブログサービスを提供できるということにもなります。
もちろん複数台に見立てるのにも限界はありますから,それなりに実物のサーバーを用意することもビジネスには必要になりますが,こうすることでたくさんのWebサイトを受け入れて管理すること(ホストすること)が出来るというわけです。
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しかし,インターネットが日常的に不可欠なものとなり,情報量や通信量が日々膨大に膨れ上がってきた今日,こうしたサービスに限界がやってきます。
1つのサーバーにアクセスが集中したら対応しきれなくなってしまう問題です。契約したレンタルサーバーが高速なものでも,1つだけでは耐えられないですし,通信回線もパンクしてしまうかも知れません。
デジタル教科書のデータをダウンロードしようとしたら,転送が極端に遅かったり,接続がエラーになったりした出来事がありました。無線LANネットワークに問題があったのではないかと指摘され,たしかにそのような問題もあったようですが,もう一つ,教材会社が用意したサーバーにアクセスが集中してしまったために問題が発生したという指摘されています。
つまり,どんなに立派なサーバーコンピュータを用意していたとしても,1台用意しただけでは多勢に無勢。もっとサーバーの台数や複数の通信回線を用意して,アクセスを分散させて効率的に処理できるようにすべきなのです。
しかし,教科書をダウンロードする時期は限られていますし,アクセスが集中するのは学校に登校している時間帯くらい。そのためにコストのかかる処理速度の速いサーバーコンピュータや高速通信回線を複数契約するのは予算的にも厳しいものです。それが悩ましい問題でした。
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もうお分かりかと思いますが,こうしたサーバー側の一時的な増強を実現しやすくするのが「クラウド」という技術です。
サービス提供会社はあらかじめ世界中にサーバーコンピュータや高速通信回線を完備した「データセンター」施設という設備投資を行なっておき,それをたくさんの人々に切り売りするのです。しかも量り売りのように必要なタイミングで必要な処理能力や通信能力を指定して契約でき,使い終われば契約解除することができるので,コスト的にも融通が利くようになっています。
しかも,専用のデータセンターで管理しているので,セキュリティやメンテナンスの問題も自前サーバーで管理するよりも優秀となっています。いまやこうした外部サーバー(クラウドサーバーとも呼びます)で情報を管理した方が安全であるという場合も少なくありません。
私たちが日頃利用している通信販売サイトも,膨大な買い物手続を処理するためにクラウドサーバーが利用されており,クレジットカード情報や住所などの個人情報も当り前のようにクラウドサーバーで管理されているのはご存知の通りです。
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というわけで,最近,総務省の「学習・教育クラウド・プラットフォームのアイデア募集」にあるように,学習・教育クラウドを使った先進的な教育利用のための取り組みが賑やかになっています。
これまでは校務システムに使うことなどが主に考えられてきました。たとえばNTTコミュニケーションズ「教育クラウドサービス」にも横浜市教育委員会の事例が掲載されています。
しかし,もう私たちは様々なサービスを通じて間接的にクラウド技術の恩恵を受けることが出来るようになっていて,たとえばDropboxとかEvernoteとかGoogle Appsとか,そうした一般的にも使われているクラウドサービスが学習や教育にも役立つことを知っています。
そして,面白いことに私たち自身で手軽にサーバーを作って運営することも出来るようになってきているということです。それで世界を相手にしたサービスを構築するということも出来るようになっています。
それは現在の学校教育に直接関係することではありませんが,子供達が大人になって世界に向けて仕事をするようになる時には,そのような道具を避けて通ることが難しいわけですから,いまのうちにそのようなインフラ技術についても理解を深めておくことが大事になってくるのだと思います。
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ちなみに多くのクラウドサービスを支えているのが通販サービスのアマゾン社が提供している「Amazon Web Service」です。