9月18日から20日まで,愛知県の金城学院大学にて日本教育工学会全国大会が開催されていました。連休まるまる缶詰めになって学会参加してきました。
ご報告すべき事柄,考えたことなどたくさんありすぎて,文字で書き記すよりもしゃべり倒してしまいたい気持ちです。ともかく,まずは参加した感想を順に書きたいと思います。
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今回の日本教育工学会は,教育工学研究に携わる者同士の「研究」と「学会活動」というものを同調させる契機となるものだったと思います。
四半世紀の歴史を刻むに至った日本教育工学会を一つの場として,教育工学という学術研究に関わる者の世代・関心・姿勢などが多様化する中で,「教育工学」という学術研究活動をどう織りなしていくべきなのか。
そうした問題はじわじわと露になっていたのですが,ようやく全会員の共通問題として立ち上がったというのが今回なのかなという感じです。
つまり,教育工学研究は,これまでの探究の道のりの中でたくさんの荷物を抱え込んだ状態にあるのだけれども,いまその状態で基本に立ち返るためには何が必要なのかを問い始めたところだということです。
周回遅れで教育工学を考え始めた人間にとっては,「なぜそんな基本のキみたいな問いを?」と思えるのですが,それが「歴史は繰り返す」の一側面なのかも知れません。
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私自身は,ここでも繰り返しお知らせしてきたように,大会の初日に「ワークショップ」の企画を担当しました。別のエントリー記事でご報告をしたいと思いますが,結果的には興味深い議論の時間を持てたように思います。
そして,教育工学に対する私自身の捉え方についても,今回の大会のシンポジウムや課題研究における討議は,いくつか開眼に値する認識をもたらしました。
正確には,現状をどう理解して,何を目指して動いているのか,自分の中で整合性を持って理解できるようになってきたということです。
拡大直後のグーグル・マップが,ぼやけた地図画像しか表示していなかった状態から詳細な地図画像を順に表示してハッキリしてくる動作をしますが,それが教育工学あるいは教育工学会に対して,私の中でようやく起こったという感じなのです。
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ようやく視界がハッキリし始めたという意味で,今回の日本教育工学会全国大会は,興味深いものでした。
私がワークショップで扱ったタッチデバイスに関しても,そういう括りは難しいとしても,個人単位での学習ツールを活用した教育実践の研究が来年にはもっと増えてくるのではないかと思います。
フューチャースクール推進事業に関わる先生方とも少しばかりご挨拶しましたし,その成果を発表していくことの意義のようなものも自分なりに組み込めそうに思えてきましたので,来年の全国大会では発表の側に立つことになりそうです。