慌ただしい夏の日に,大阪で行なわれた「関西教育ICT展」に出かけました。かつてフューチャースクール推進事業に関わったことがあったので,そのときのことを踏まえた話をして欲しいとご依頼を受けたからです。
「過去〜現在〜近未来の教育とICT」と題したミニ講演は,東芝ブースのステージで1回だけ披露させていただきました。だいぶ前に流行ったバージョン番号表現を,実際の歴史的変遷に重ねたうえで教育の情報化水準として位置付け,それを手がかりに過去・現在・近未来をお話した次第です。
スライド中に出てくる図はこちらです。
http://ict.edufolder.jp/archives/758
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講演の中では小学校低学年の国語「おてがみ」(アーノルド・ローベル氏の『ふたりはともだち』に収録)という作品を扱った授業でのタブレットPC活用を紹介するとともに,講演全体のモチーフも現代のおてがみである「メール」を出すためにはアカウントが必要であるといった風に構成したものでした。
教育の情報化水準でいえば,機器の整備はせいぜい2.x水準をうろついているに過ぎず,これらを本当に活用するためには個々人のアカウントを運用する必要があり,これをちゃんとやることが3.x水準なんだというお話です。
すでに現実の生活では,あっちこっちに登録をして,1人何十アカウントを持っているというのは珍しくないこと。そうした状況に対応するための知識・技能を養うためにも,そもそも学校教育で個人アカウントを運用するということを考えてもよいのではないかと思うわけです。そうすることで逆説的には2.x水準の情報化にももっと様々な可能性が広がるのだろうと思います。