20110625講演スライド

講演「わたしたちの知識を伝える教育分野の情報化」
(於:えひめITフェア2011 2011年6月25日)

講演音声
http://twitcasting.tv/kotatsurin/movie/1895986

シルバー向け無料iPad教室(インターリンク)
http://www.genki.pro/
『地域・学校の特色を活かしたICT環境活用先進事例に関する調査研究』(JAPET)
http://www2.japet.or.jp/senshin/
『第7回 「教育用コンピュータ等に関するアンケート調査」 報告書』(JAPET)
http://www.japet.or.jp/jo693c65a-47/#_47
Research Points(米国教育研究学会)
http://www.aera.net/publications/?id=314

20110625講演スライド” への3件のフィードバック

  1.  りんさん(なれなれしくすみません)。スライド中の教員の持ち時数ですが、ちょっと乱暴な引用ではないでしょうか。講話の中では、授業以外の要素も勘案する必要があることにふれていただいてますが、スライドだけ見た人は2回も引用されている日本の教員の持ち時数の低さにどういう印象を持つか?
     日本の小学校の教員は705時間となっていますが、担任持っていれば900時間(わたしの場合26時間×35週=910時間)は持ってます。どういう計算をしたのか。計算の仕方は各国共通なのか。分母は正式な教員数なのか補助の教員も含めた数なのか。正式な教員以外の補助や役割分担の仕方など国によって異なる制度を勘案した上での計算なのか。日本の場合グラフ上の平均値の3割も多く持っている教員がほとんどであることを考えれば、アメリカも同じ3割増しの教員がいるとすると、アメリカの値は夏休み等を全く取らなくても困難な値になると思われます。
     だれがどこまでの共通理解を持ってどの程度同じ尺度で統計をとったのか。現場感覚ではにわかに信じがたい統計です。今以上に時数が増えたら確実に過労死です。
     他の要素との絡みでの引用であることは分かっているのですが、現場的には受け入れがたい資料です。
    このブログ記事を参照願います

  2. 金井さん
    コメントありがとうございます。
    スライド「教員の授業時間」という引用について、スライド上での補足が不十分なまま2度も繰り返して引用しているのは誤解を生み乱暴ではないかというご指摘いただきました。
    ちなみに、引用元は「図表でみる教育2009」(OECD)です。
    http://www.oecdtokyo.org/theme/edu/2009/20090908eag.html
    各国のデータに関する調査や勘案の方法はこちらの英文資料に記されています。
    http://www.oecd.org/dataoecd/34/57/43618481.pdf
    金井さんのご指摘が国際調査の妥当性に関するものに焦点を当てるもので、データの読み取りをスライド上で正しく補足せず、口頭で不十分な説明をしただけで講演スライドに使用したことを問題とされるのであれば、私には十分な言い訳がありません。今後、なるべく妥当性を高めるように努力したいと思います。
    おそらく、金井さんの懸念は講演の聴衆が一般や教育に疎い相手だからこそ、乱暴な引用で日本の教員が他国よりも授業時間が少ないと誤解されることを恐れていらっしゃるのだと思います。
    本講演にそのような意図はなかったとはいえ、現場の先生方に不利益をもたらす情報を強調した資料を安易に公開したことを憂慮されていることは理解できます。「教員の法定勤務時間」も合わせて引用すれば、そのような誤解も少しは防げたかも知れません。
    しかし、金井さんもご理解されているように、私がこのスライドで主張したい結論は、教育の授業時間を他国のように増やせということではありません。
    スライドだけが独り歩きするということは覚悟していますが、私なりに情報がフェアに伝わるよう講演音声を同時に公開して配慮しているつもりです。
    そうやって公開しているのは、徹底的にご批判をいただくことがよりよい情報の伝達に役立つからという意図もあります。今回ご批判いただいたことは有り難いですし、今後も引き続きご批判いただければ本望です。

    OECDのデータを鵜呑みにするように引用した責任は私にありますが、OECDの調査方法に異論がある場合は、ぜひともOECDに向けてご批判を展開していただきたいと思います。
    ちなみに、教員の法定勤務時間の数値は、日本の初等教育が1960時間、米国の初等教育が1265時間です。こちらの方がより先生の実感に合っている数値でしょうか。もし安心されたいのであれば、そのような他の数値も参照していたければと思います。
    ただし、国際比較調査は常々、各国の文化的な背景や教育制度などの違いをどのように調整して結果を示すべきか、解釈すべきかが問題となっています。これは簡単に解決できる問題ではありませんので、継続的に議論を戦わせる中で私たち自身の調査統計リテラシーを育んでいくしかないと考えます。
    私は、こうしたことについても教員がもっと学ぶ機会を増やしていく必要があると考えています。金井さんのように違和感を感じられる現場の先生が増えれば、調査方法も見直しが進むのではないかとも思います。

    受け入れ難い形で資料を提示してしまったことに関して、一定程度の乱暴な引用があったことは認めますので、この場を借りて謝罪させていただきます。

  3.  ご丁寧な説明をいただきありがとうございます。りんさんご指摘の通り、りんさんの講演内容に対するコメントではなく、引用資料の信憑性とスライドでの引用の仕方についての確認です(批判する意図はなかったのですが、結果そうなってますね)。
     わたし自身、「教育らくがき」のファンですので、りんさんの講演内容の意図するところは十分理解しているつもりでおります。今後とも、情報発信をよろしくお願いします。講演内容の音声での発信、とてもありがたかったです。
     われわれ公立初等・中等教育の教員集団が、自分たちが置かれた教育環境・教育制度その他もろもろの事象に対して不感症ぎみであることは自覚しています。改善のためのお力添え、今後ともいただけるとうれしいです。

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