フューチャースクール推進事業における長野県実証校である塩崎小学校で公開授業がありましたので参観してきました。
長野は大学時代を過ごした地なので,久し振りに訪れたいなという個人的な思いもあって参観を申し込んだところがありました。勝手知ったる土地とはいえ,徳島から行くのは初めてなので,なかなか大変でありました。
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塩崎小学校は東日本地域に属している実証校なので,使用しているタブレットPCは,CM1と呼ばれる取っ手の付いた小さいタイプのもの。50インチのIWB(電子黒板)が各教室にあって,児童のタブレットPCから画面転送できるようになっています。
今回の公開授業は,児童の親御さん達の授業参観も兼ねた形で行なわれました。そのため基本的にはすべての学年で公開授業が行なわれましたが,塩崎小学校の重点研究対象となっていたのは1,2,3年生東組(各学年に東西2クラスある)の算数や国語でした。
残念ながら今回は授業公開だけで,研究会とか協議会は設定されていませんでした。
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ICT機器の利用に関しては,どのクラスもIWBを利用しており,この辺に関してはFS推進事業が2年目であることから問題なく日常に溶け込んでいるようです。
授業の導入時に先生がIWBにデジタル教材や資料を提示し,まずはクラス全体で考える一斉学習の形から始まって,個別・協働の場面でタブレットPCを利用するといった基本的な流れの授業が多かったです。
1年生算数は大きい数の数え方をIWB上で児童に操作させながら全員で確認した上で,タブレットPC上に問題を作って友達同士で出題し合う活動をしていました。
2年生国語ではようすをあらわすことばを教科書から選び,タブレットPC上で短文を作るといった課題で利用をしていました。
3年生算数は,まとまりを考えながら加減乗法の計算問題を解くために,用意されたワークシート上で図を描きながら答える作業をしていました。
4年生国語はタブレットPC上のワークシートに取り組むといったかなりシンプルな利用法でしたし,5年生算数でも多角形について辺や角に着目しながら調べる作業をタブレットPC上で行なう作業で,6年生国語では,使われなくなった言葉と現在使っている言葉の組み合わせをいろいろ探しながらタブレットPC上のワークシートにまとめ,クイズにしてクラスで共有するといった使い方でした。
親御さんたちの参観もあるせいか,先生の中には緊張されていた方もいらっしゃいましたが,それぞれの授業は無事に展開したようです。
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ICT機器の利活用として派手さはなく,わりとオーソドックスな感じで利用されているといったところでしょうか。今回は算数や国語といった教科が多かったことも,そんな感想につながる理由かも知れません。
参観している親御さんの会話から「パソコン使った授業で学力が上がってくれないとねぇ…」といった声が漏れ聞こえてきたことは印象に残りました。
ICTの活用によって学力が上がるのかどうか,上がるという研究はあるものの,賛否両論あって議論の尽きないテーマですが,親御さんの不安はいつの世も単刀直入だなと思った次第です。
学力向上ももちろんそうですが,ICTを活用したならではの新しい学習活動の提案をすることもこの時代においては必要なことかなとも思います。