NEE2012大阪会場で開催されたセミナー「日本−韓国,未来の情報教育」というセミナーに登壇してきました。
基本的には韓国からのゲストの発表と日本からの視察報告を中心として企画されたものですが,私は日本のフューチャースクールについてご紹介する役目でした。
韓国の教育に関わる実情を垣間見ながら教育の情報化について聞くことができたので,単に進んでいるということだけでなくて,求めているものの違いについても考えることができたセミナーではなかったかと思います。
たとえば,韓国では
・若者にとっての厳しい社会的現状がある。よって学習の動機も強くなる。
・日本と比べて大学進学率が9割であるし,TOEICも900点が当たり前。
・情報化に関しては,さまざまな試みは日本の方が多いと思われる。
・デジタル教科書には「指導者用」と「学習者用」の区別はない。
・2015年にはデジタル教科書に「切り替える」のではなく「選択できるようにする」。
・選択するのは教育委員会や学校の先生や校長先生であり,どう使うかも先生が決める。
・2008年からのデジタル教科書に関する成果は専用のWebサイトで発進している。
・「デジタル教科書」には「e教科書」と「デジタル教材」の二つがある。
・韓国の教室の電子黒板は70インチ以上が一般的。
など,いろいろ教えていただくことができました。
韓国の教育の情報化を担っているKERISには,毎週のように視察の人々がやってきて業務に支障が出るほどだという裏話もあったりと,ざっくばらんに展開。
その他,韓国の世宗市につくられたモデル学校である韓国版フューチャースクールの視察報告では,現在考えられる限り最先端の学校設備の様子を見せてもらいました。
残念ながら,登壇者人数分のマイクがなかったため,私が得意な割り込みで根掘り菜掘り聞くというスタイルはできませんでしたし,時間もなかったため議論もできませんでしたが,なかなか興味深い会になったと思います。
本当は大阪という場所ゆえに,話題に上っている大阪の教育情報化の取り組みを意識した意見交換もしてみたかったのですが,残念ながらそれは叶いませんでした。
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というわけで,なんとかお役目を果たしました。実は2007年の東京会場で初めて登壇して以来5年ぶり。次回は2017年頃に呼ばれたらラッキーという感じでしょうか。とにかくいろいろ勉強になったNEE2012でした。