日本の学校の大画面といえば「黒板」や「掲示板」ということになりますが、ほとんどの教室に常設されているでしょうから,更新問題はあれど導入問題は考える必要もないと思います。ここで話題にしたいことは,テレビを始めとした大画面メディアのこと。
このブログでは「メディアプアな日本の中等教育」「テレビも少ない日本の学校」という記事でテレビの設置台数について話題にしてきました。
グラフで視覚化すると,中学校と高等学校(中等教育段階)のテレビ導入台数が満足できるものではないということが浮かび上がったわけです。
しかし,こういう問いも生まれます。
「テレビが少ないのはわかった。でも,何か大画面を実現する機器が別にあればよいのではないか?」
確かに,テレビ番組やデジタル教材を表示させる方法はテレビだけではありません。大画面であれば電子黒板とか,プロジェクタとかもカウントすべきではないのか?
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あらためて文部科学省の「学校における教育の情報化の実態等に関する調査」から大画面にあたる項目を取り出して,グラフに足してみました。
小学校
中学校
高等学校
特別支援学校
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再度,普通教室に注目して設置台数の割合を書き出してみると…小学校 96%,中学校 55%,高等学校 20%,特別支援学校 42%には大画面が備えられていることになります。
テレビだけに着目したときよりも少しマシな数値になりましたが、小学校を除いて満足できる数値ではないことは変わりません。また当然ながら,それらが「常設状態にあるとは限らない」という問題はありますし、「頻繁に活用されている状態にある」かもわかりません。
学校までもがメディアにまみれることを恐れたり懸念する考え方もあるとは思いますが、学校という場がメディアを適切に使いこなしたり遠ざけたりする距離感を育むための環境にないのは問題が多いと私は思います。