授業と会議の日。
授業ではScratchの作品の仕上げ。ほとんどが女子学生の学年だったが,創造的な作品づくりと捉えてくれたようで,ゲームやら作品やら作りたいものを思い描いて,あとは熱中してコーディング。
ある学生の作品は,恐竜が口を開けたり閉めたりするコスチューム(見た目)を繰り返して,そこへ少年がバスケットボールをスローインするのだが,恐竜の口が開いていたらボールを食べ,口が閉じているときはボールに当たったことを怒る反応をするというもの。
少年が投げるボールの軌跡を実現する方法は学生なりに解決したあと,ぶち当たった難関は恐竜の口の開閉に応じたボールとの接触の反応分岐だった。
必要は理解力を高めるのだろうか,そもそも学生が優秀なのだと思うが,私が処理の流れをつぶやきながらブロックを紹介するプロセスにちゃんとついてきてくれた。
たとえば私は解決策に「変数」を使って分岐を起こすしかないと考えて,「kuchi」という目印(変数)を作って,恐竜の口が開いているときに「1」閉じているときに「0」という目印を入れておくよう提案した。そのためのブロックの拾い出しと組み方はまだ慣れないとしても,私が手伝って組んだコードと作品の動きとの関係性についてはちゃんと理解してくれたようだ。その後,自分なりの調整をしていたのも理解できていたからだと思う。
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他のある学生さんは,キャラクター同士が会話をするパートを作っていた。
その会話のやりとりは,最初,「○と言う」と「○秒待つ」のブロックを組み合わせて,2つのキャラクター(スプライト)が別々に時間を待ちながら自分のセリフを表示する方法だった。
この方法は,相手のセリフが表示される分をもう片方が「あらかじめ時間を決めて待ってあげる」わけだが,この待ってあげ合う方式だと,何かの理由でタイミングがズレて,セリフがかぶったりする。
そこで,会話は「○と言う」ブロックで自分の吹き出しを見せて「○を送る」ブロックで相手にメッセージを送り,相手は「○を受け取ったとき」ブロックで相手のメッセージを受け取ったら…ということの積み重ねでやりとりさせることを提案した。もちろんこの他にも変数を使う策もあるだろう。
このメッセージの送り合いを一往復半くらい手伝えば,あとは「もう分かった」といった感じで,自分でコーディングを始めてくれた。
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ちょうど年明けの残り授業分で取り組んだ活動だったので,正式リリースしたばかりのScratch3.0での実践。職場のパソコン教室は,幸いChromeブラウザをインストールしておいてくれていたのでScratch3.0も問題なく使えていた。これはラッキーだったと思う。
20人弱の学生たちを独りで対応するシチュエーションだったので,サポートに入れなかった学生もいたが,学生同士で教え合うということにも助けられて,今回も無事に活動は終了した。