アカウント整備をしなきゃ,どんなIT整備もAI戦略もただのゴミ

珍しく釣りタイトルですが,内容はそのままです。

このところ政府(首相官邸・内閣府)あたりから「規制改革推進会議」や「統合イノベーション戦略推進会議」関連で小中高等学校に関わるデジタル技術による教育改革について情報発信がなされています。

令和元年6月6日 規制改革推進会議」(首相官邸)

「令和元年6月11日(火)午前 統合イノベーション戦略推進会議について」(首相官邸)

AI教育だ,タブレット配備だと,新しい内容を付け加えてみたり,焼き直してみたり。

けれども,どんな提案も額面通りには期待できません。

それは,どれにも「教職員・児童生徒のアカウントを提供する」必要性について責任持った記述が見受けられないからです。タイトルに書いたことを再度はっきり申し上げれば…

学校教育に関わる教職員・児童生徒たちのアカウント(メールアドレス等)を整備することなしに,いかなるIT/ICT整備も,ICT活用教育も,AI戦略も,実質的にはなんら個々人の仕事や学習には帰さない,ただのゴミとなる

しかないのです。

そういうことを分かっている人は多いのに,一番面倒くさい部分だから誰も責任持って言及しないのです。

頑張る関係者がいる地方自治体は,地方自治体独自でアカウントを発行し,管理し,研修し,教育しようとしています。だから「うちではやっているよ」というところも無くはない。

けれども「うちでもやっているよ」は地域として恵まれていても,IT戦略とかAI戦略としては,他もやってるよじゃないと,ぜんぜんダメなんです。そうしないとお互いつながらないし。

だから,あなたがIT教育とかAI教育とかプログラミング教育とかでも,何かしらに接する際は,必ず「アカウントの方はどうやって提供したり管理していますか?」と聞いてみることで,それがどれくらいの程度のものなのか判断つきます。そこで苦い顔して頑張ってますという人がいたら,慰めた上で,やっぱり一緒に考えないとダメです。

最低限,都道府県レベルでアカウント問題は取り組まなければならず,そんなに国家戦略にしたいなら,本来は政府レベルでちゃんと教職員と児童生徒および大学生にもアカウントの提供やサポートをする方策を実現しないと意味がありません。

もちろん,個人の情報を個人がコントロールするための仕組みや教育(情報活用や情報モラル)も同時に考える必要がありますが,それらもコミコミで考えなきゃ意味がないということです。それくらいいままでのツケが大きいということでもあります。