ニューズレター「教育と情報の歴史通信」第2号を配信しました。
今回の冒頭コラムでは,教育と情報を主題にした定期刊行物について振り返ってみました。私が知り得る範囲でどんな刊行物があったかを表にまとめてあります。
各刊行物の刊行期間をあらためて確認していたのですが,それだけでも結構大変な作業になってしまいました。日頃からまとめておかなかったツケが回ったわけです。しかし,こうして表にしてみると,刊行数は多いような少ないような。でも感慨深いですね。
『NEW教育とコンピュータ』の休刊はまだ記憶が新しいとばかり思っていたら,もう7年前のことになります。その後,この分野の市販定期刊行物はありません。ほとんどが企業PR誌であるのはコラムに書いた通りです。
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印刷媒体の方が残り方が成熟していると書いたものの,実はこの話には続きがあって,企業PR誌がメインとなっている現状には問題があると書きたかったのです。
企業PR誌は,広範に配布しているものも少なくありませんが,たとえば国立国会図書館に納本されているものはほとんど無く,企業側にもバックナンバーが無い場合もあり,最初に入手できなければ,後から遡って参照することが電子情報以上に困難な場合も少なくないのです。
所詮は企業PR目的の媒体なのだから,保管価値はないという考え方もあるかも知れません。しかし,ときどきの実践記録やICT活用事例を掲載しているのは確かですし,ものによっては専門家や研究者による解説も掲載している場合もあり,一般定期刊行物が少ない今日においては,責任を持って残しておく努力も必要なのだと考えます。
国立国会図書館が企業PR誌の納本を受けつけていないことも考えられるため,調べて対策を考えないといけませんが,とにかく何らかの形でこれらの情報が集約され共有されるように努力する必要があると考えます。
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刊行物探訪には,まだまだ語るべきことがありますが,それはまた続きのコラムでゆっくりと書ければと思います。