フューチャースクール推進事業に関わる

 総務省が「ICT維新ビジョン」を打ち出し,国家のIT戦略として取り組み始めています。そして「フューチャースクール」や「協働教育」というキーワードを使って,学校教育の情報化を推進する動きも含まれています。

 教育の情報化については,文部科学省も取り組み続けており,昨年には「スクールニューディール」と呼ばれる大規模な予算措置によって理科の実験器具や学校の耐震化と合わせて,電子黒板が導入されるなどの動きもありました。
 そして今年に入って,iPadが刺激した電子書籍への関心とデジタル教科書の可能性や限界に関する議論が盛り上がっています。
 とにかく,こうした様々な動きがごっちゃに受け止められながら,学校教育の情報化が話題になっていることだけは確かです。
 それらを解きほぐす作業は,今後じっくりと繰り返し取り組むとして,今回は私自身についてご報告させていただきます。

 
 この度,総務省の「フューチャースクール推進事業」の実証研究校に研究者として関わることになりました。10校ある中の1校と関わることになります。
 各校に「協議会」という組織がつくられて,メンバーとして「研究・有識者」枠があるのですが,そこに位置づきます。
 基本的にはアドバイザです。相談受けたり,現場先生方のお話を聞いたりする立場であり,見守り役でもあります。
 事業全体から見れば,地区の研究者の一人でしかなく,たくさんの関係者の中の一人でしかないということは,今後繰り返し確認し自覚していく必要はあると思います。
 それでも,注目を集める取組みに関わらせていただけることは有り難いことであり,気を引き締めなくてはならない立場であると考えています。

 
 文部科学省でもなく,民間のデジタル教科書教材協議会でもなく,総務省の事業に関わることになるとは,夢にも思っていなかったというのが実際のところで,こうしたご縁に至ったことに,当人も驚いている次第です。
 皆さんの中には「どうして無名なあなたが関われるのか」とお思いの方もいらっしゃると思います(それは素朴で自然な疑問です)。
 地区研究者の選出(?)は,10校ある実証研究校ごとに異なると思われます。全貌を知るのは総務省付の研究会メンバーと東西それぞれで事業を統括する担当者の方ですので,私の想像の範疇ですが,それぞれの実証研究校が決まる過程と連動して,地区研究者の選出過程も様々といったところのようです。
 そうした個別の選出過程を経て作成された複数の事業提案書が,公開入札に対して提出され,落札したものの中に私の名前があったわけです。ある種のクジ引きに当たったのだと考えていただき「そういうこともあるのかな」と納得していただければと思います。
 なんでそもそも名前が書類に載るのかの部分が全く曖昧ですが,その部分は「神様のいたずら」としか言い様がありません。
 ただ,誤解の無いよう書き添えますが,私は選択肢の中の一人として存在したことは確かですし,どんな形でも学校現場に協力することは日頃から表明していたので,そのご縁の結果だったと理解することはできると思います。

 
 繰り返すように,私は総務省のフューチャースクール推進事業に関わることとなりました。あくまでも一関係者でしかないため私の視野から見えるものは限られていますが,事業に関わる者として情報発信をしていくことが大事と考えています。
 というわけで,私からは当面,以下の情報発信を行なうことになります。

 ブログでは私の考えや進捗のご報告などを,Twitterでは硬軟合わせたツイートと関心のある皆様と対話を,学会ワークショップでは事業も含めた昨今の動向にまつわる言説と学会との関わりに関して皆さんと語らう機会を,試みれたらよいと思っています。
 少しでも,前向きな取組みに貢献できるよう,できる事は限られていますが,努力していきたいと思っています。