20181026_Thu

授業を終えて,出張の準備をする。

久し振りに学外試験会場の試験監督担当となったので,前泊するため高知へ移動する。高地に出かけるのは2回目か3回目。同じ四国といえども,用事がないと訪ねる機会がない。少なくとも4年は訪れていない。

出発時はそうでもなかったが,高知に着くと雨。

まずはホームセンターで傘を買った。雨の中をホテルに向いチェックインしたあと,夕食を探しに街歩きに出た。高知の美味しいものを食べたいとは思ったが,翌日のことを考えるとお酒を入れるわけにもいかないので,飲み屋系のお店をパスしながら,ようやく見つけた食事処でかきフライ定食をいただいた。創業が大正十一年というお店だった。アットホームで居心地も良かったし,素朴だったけれど牡蠣フライは美味しかった。

20181019_Fri

岡山県の教員研修で講演を担当したあとは一路東京へ。

林野高校の最寄り駅である林野駅から作用駅へ向う姫新線は,廃線となった三江線と同じようなワンマン列車が走る。それにしてもローカル線のワンマン列車は,どうして通学する高校生たちの風景がこんなに似合うのか。

作用駅は「スーパーはくと」が停車する駅なので,姫路か新大阪に向ってから新幹線を乗り換え利用するつもりだった。

ところが作用駅で駅員さんから「ついさっき姫路駅で人身事故が発生し,新幹線が運転見合わせになった」という知らせを聞く。しかもスーパーはくとも遅延中だとか。もはや何を乗り継ぐべきなのか,誰も正確な情報をつかめず判断できない状況となってしまった。

この日の新幹線の大混乱はニュースでご承知のとおり。

少し遅れてやってきたスーパーはくとに乗ってしばらくして,車内アナウンスで新幹線の運転見合わせ情報が流れた。新幹線を利用したければ新大阪まで乗れという。

新大阪まで出れば新幹線が動いているかと思ったら,降り立った20時頃の新大阪駅は殺人的な行列でごった返していた。EX予約で予約をとった新幹線どころか,17時半頃発車予定の新幹線が停ったまま。2時間以上遅延が発生していた。

とにかく本日中は東京へ行きたい。

とりあえず東京行きが出発するホームに上がって待機することにした。しばらく様子見をしていると,目の前の「のぞみ」からぼちぼち運転再開をするという。人が込み合う列車入口に無理やり押し入って,自由席通路に紛れ込むことに成功。やがてのぞみが動き出した。

新横浜から品川・東京へ向うも,東京駅手前で新幹線が詰まっているとの情報。

品川で下車して在来線。11時過ぎには宿に着けた。ふぅ。

20181012_Fri

大学祭初日。

いつも通り出勤して,こどもひろばの様子を覗きに行く。

金曜日の平日ということもあり,近隣の幼稚園から園児たちが遊びに来てくれる予定が入っている。1年生スタッフが入れ替わり手伝うようにアレンジされているが,たくさんの園児を相手となると会場は慌ただしくなる。

どのブースも賑やかで,子供たちは存分に楽しんでくれている様子。私もたまに覗きに行って,写真記録をしながら過ごした。

20181010_Wed

水曜日なんだけど金曜授業。

専門ゼミナールで『ライフロング・キンダーガーテン』の第1章を読み始め。

諸般の事情で本が到着したのが本日だったので,ゼミ生達はまだ中身を読めていない。最初ということもあり,私が担当して概説をした。概要をつかんでもらおうと,レジュメを作成して一気に説明をしてしまったが,もっとゆっくり味わうように進んでもよかったなと反省。次回は事前に読んでもらっておいて第1章の再検討から始めたい。

その後,学生と談話。

進路についてあれこれ話を聞く。「どうすればいいのか,よくわからない」と困っている様子。学生によっては,本当に何も決まっていない場合もあるが,その学生は自分なりに関心のある分野の企業を調べてあたりをつけている。それでも教職と一般企業とを悩み,また一般企業でもそこでいいのか「何が正解かわからない」と思うところを話してくれていた。

私の乏しい人生経験から役立つ話はできなかったが,いろいろ話をしていて,私自身も「これが正解かわからない」状態だったのに,なんとか今に至っているのは何故なのかを振り返った。

好むことや苦にならない自分の軸足になるものが一つだけでなく,二つ三つあったからなんとか時を過ごせたのかなと思う。

特別好きなことはないという人も多いが,とりあえず身を置いたり,軸足を据える場を見つけられれば,それがまず大事。その上で,いざというとき別の場にその身や軸足を移せるかどうか。そういう場を見つけられるかどうかが,「なんとかなる」につながるのではないか。その先が正解かどうかは,実のところあんまり関係ないのかも知れない。正解であることを心掛けたいとは思うけれど。

そういう意味で,昔と今では,身や軸足を移すための諸条件や状況がかなり変わっているのかも知れないなと思う。

私たちの時代は,あらかじめ限られた情報流通手段しかなかったので,流れ込んでくる情報を自身でフィルタリングする必要は薄くて,そうする習慣も強くない。つまり,わりとあれこれを知ろうとする姿勢が保たれていた。けれど,いまはインターネット経由で情報がたくさん流れ込んでくるので,最近の人は無関係と思うもの,関心ないものは自身で無意識にフィルタリングする習慣がついている。逆に関心あるものは無駄なものでも消費したりもする。

この仮説が正しいとは証明されていないけれど,たとえば授業中に提示される学習内容を「難しい」と括って受け付け難くなってしまうのを説明できるかも知れない。

話を戻せば,進路のことを話していて「何が正解かわからない」と言う,その言葉が発せられる原因は何かを考えた時,もしかしたら無意識に発動してしまっているフィルタリングのせいではないか,と思えたのである。

話のオチは,だからこそ「クリエイティブ・ラーニング・スパイラル」に巻き込こんでいくような,そうしたゼミナールや学びの環境を一緒に作っていけばいいんじゃないの?ということになるが,転がり始めるための最初は,まだまだ暗中模索といったところである。

20181005_Fri

専門ゼミで文献講読。

10月は秋行事等で授業日が変則的になっており,専門ゼミナールもやっと始まるところ。今年は『ライフロング・キンダーガーテン』が課題本となる。分担決めをしてさわりを少し。昨年はうまく絡められなかったが,ちょうどMIT「ラーニング クリエイティブラーニング」が今年も開講するので,文献とともに見ていきたいと紹介をした。

研究室内が机や椅子に資料が積み上がってゴチャゴチャしていたので,スペース確保の最適化を多少していた。書棚を眺めていたら『松丸本舗主義』(青幻舎)が目に入ったので久し振りに開いてみる。

2009年10月から2012年9月末まで,丸の内オアゾ(東京駅の横)にある丸善・丸の内本店の4階に「松丸本舗」という異色の書店があった。書物と書物がある編集のもとに隣り合わせ,店内を回遊する私たちがさらなる繋がりを紡ぎ出していける書棚空間。東京に出張する度に足を運んでは,その空間に浸っていた。

うちの研究室もそんな書棚空間に近づけられたらなと思う。