3月に入りました。
先週は出張ウィークでした。大阪と東京はバス移動,広島は電車移動で,公開授業の参観や研究会の傍聴をしていました。すべてフューチャースクール絡みです。
それぞれ詳しく書かねばならないと思いつつ,ツイートしたあとは,しばらく寝かせている感じです。公私含めて考え事がいろいろあって,後手になっているところもあります。
手短に…。
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公開授業はそれぞれの実証校の取組みに励まされました。
今年度における私のまなざしは機器環境の導入と受容という部分に重点化されているので,年度途中から短期間のうちにかなり環境適応していることは感心します。
かなり無理もされているのだろうと思いますが,現場の先生方も子ども達も新しい道具や環境と上手くつき合うことが出来ているように思いました。
参観させていただいた実証校はどちらも教育効果や学習効果にも強い関心を抱かれており,ICTを活用した授業づくりという点でも従来までの蓄積を踏まえたものを目指していたのが印象的でした。
その部分は,何を目指すかによって議論も変るので後日考えることにします。
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研究会の傍聴は,複雑な思いを抱くことになりました。
期待が満たされなかったということではありません。素人とはいえ,審議会行政や有識者会議のようなものに対して囁かれている問題などは知っていますから,過度な期待はしていません。
むしろ,期待できないだろうと想像していたようなことが淡々と進行していくのを確認することは,やはり気持ちを萎えさせるということです。
しかし,他にやりようがあるのかという問いに,私はまともな代替案を持っていません。そのことも私の気持ちを萎えさせているのかも知れません。少なくとも,いまはこの仕組みの中でしか動けません。
私自身は,物事の両面について言及し,批判的であると同時に肯定的にものごとを進めていくように振る舞わなければならないと考えます。
一方で,嘆いても,一方では,能天気に進まないと…。
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さて,任された仕事を頑張ることにします。
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本棚増設
先月下旬から慌ただしくて心落ち着かない日々が続いていました。科研費申請もそうですし,フューチャースクール関連の仕事,そして私個人の蔵書引っ越しなど,いろいろ出来事がめまぐるしかったからです。
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そして,いま私の研究室は大変な状態になっています。分散していた蔵書を統合するために運び込んだ荷物が片付けられない…。本棚二重にしてみたんですが,荷物の半分くらいを開封した時点で満杯になってしまいました。
印刷書籍のデメリットは場所を取ることだと言われていますが,まさにこのデメリットに泣いている状態です。とはいえ,これを「自炊」と称して電子化したところで場所の問題は解決するとしても,今度は二度と開かず読めないのではないかという恐怖感もあり,あらためて「モノとしての本」の存在を考えてみたりします。
というわけで,落ち着いて考えたり文章を書いたりする環境がまだまだ安定しないために,最近は心も穏やかではありません。
政策コンテスト・パブリックコメントの手順 – コメント提出編
来年度の予算編成を左右する「政策コンテスト」。私たちがパブリックコメントを提出する数によって事業予算の確保が決まってしまうのです。
今回は,文部科学省が応募している「未来を拓く学ぴ・学校創造戦略」に対してコメントをする場合を例に,コメント提出の方法をご紹介します。
なお,以下の手順は「ユーザー登録編」からの続きです。すでにユーザー登録が終わっている場合には,政策を選択する手順をしてからコメント提出の手順に繋がります。
1.「ユーザー登録編」
2.「コメント提出編」(いまここ)
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(1) ログイン画面で登録したメールアドレスとパスワードを入力し「ログイン」する
(2) 自分のユーザー情報の確認画面の下に,事業に対するコメント欄が表示される
(3) 事業に対する評価とコメントを入力する
質問は以下の通り
【必要性】
(1)記載された政策目的を実現するために,この事業を実施する必要があると思いますか。
(2)記載された政策目的に照らして,地方公共団体や民間等に委ねることは難しく,国が率先して行うことが必要だと思いますか。
(3)限られた予算枠の中で,この事業は,同一分野(関連項目)の他の事業と比べて,優先して実施する必要があると思いますか。
【事業効果】
(4)この事業を実施することを通じて,「元気な日本」の復活につながると思いますか。
(5)この事業に関する「要望概要」の「事業の新規性,見直し内容」の欄に記載されている内容は,評価できるものだと思いますか。
【手法】
(6)この事業の手法(事業主体,支出先等)は適切だと思いますか。
(7)要望額や事業規模は事業内容からみて適切な(過大ではない)ものだと思いますか。
【その他 この事業に対する評価】
・良い点
・悪い点
【その他 ご意見】
自由記述
(4) 「送信内容確認」をクリックして内容確認画面を表示させる
政策コンテスト・パブリックコメントの手順 – ユーザー登録編
2010年10月19日まで,国の予算編成について国民からのコメント(パブリックコメント)を募集しています。要するに,どんな事業にお金を使うべきか,国民に投票してもらおうという取組みです。「政策コンテスト」と銘打たれています。
(ある条件を満たした上で)この政策コンテストに応募し,選ばれると,規模の大きい予算を獲得することが出来るようになっています。
文部科学省が管轄する教育分野は,より多くの予算を必要としているため,大きな賭けに出ました。耐震化を含む学校施設の整備,ICT活用環境を整備する学校創造戦略,35人学級を実現するための経費などを,この政策コンテストの枠に出したのです。
これが意味するところは,私たちがパブリックコメントで「この事業予算は大事です!必要です!」と投票しないと,事業予算を確保できず,大事な教育政策を実現することが困難になってしまうリスクが生まれたことです。
こんな事態になったことは残念なことですが,事態は進行中です。10月19日までに多くのコメントを集めないと,限られた予算の中で教育分野への配分は劣勢に立たされてしまいます。
ぜひ,コメントをしてください。以下,手順をご紹介します。
1.「ユーザー登録編」(いまここ)
2.「コメント提出編」
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(1) 政策コンテスト・パブリックコメントのWebサイトへ
(2) 「文部科学省」をクリックすると「組み換え予算」の一覧が表示される
(3) 「要望事業一覧を見る」をクリックするとコンテスト対象の事業一覧が表示される
(4) 自分がコメントしたい事業名をクリックすると詳しい事業説明が表示される
(5) 「この要望について意見を提出する」をクリックするとログイン画面になる
(6) 登録をする必要があるので基本情報を入力する
(7) 「送信内容確認」をクリックしてユーザー登録内容の確認画面を表示させる
(8) 「この内容で送信する」をクリックすると完了画面表示とメールが送信される
(9) 自分に届いたメールを確認して,メール内のリンクをクリックする
(10) ユーザー登録手続が全て完了するので,「ログイン」する
「コメント提出編」へ
田原「デジタル教育批判」本を斜め読みして
デジタル教科書に関心のある人々の間で話題になっていた田原総一朗さんの『緊急提言!デジタル教育は日本を滅ぼす』(ポプラ社/1400円+税)を読みました。
近所の本屋さんに売っていたのは意外でした。ハードカバーであることも含めて,やはり田原総一朗さんの影響力は大きいのだなと感じました。
多少駆け足で目を通す感じの斜め読みをした感想としては,「デジタル教育」というキーワードに触れつつも,基本的には田原総一朗さんの教育論をまとめた本だと分かりました。
筆者自身の提案なのか,企画した出版社の提案なのかは定かではありませんが,もともと田原さんの教育論が支柱にあって,そこに昨今の教育の情報化やデジタル云々も絡ませようとした結果であることは明白です。
そのことを理解して読むと,この本を「デジタル教育批判」として受け止めて,その部分の記述を細かく反論することに意味がないことは分かります。
細かい反論を試みる行為自体が,何かしら正解を出さねばならぬという意識から出発しているのではないか。
確かに,困ったイメージ(デジタルやその技術の活用が教育に害があるかのようなイメージ)の流布を放っておくわけにはいかないと考えている人も多いので,そのためのパフォーマンスは必要と思いますが,それと合わせて,この田原本の位置づけをできるだけ背景を踏まえて明確にする努力も必要です。
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ここ数ヶ月,田原さんがメディアに登場する際,教育の問題について語る機会が多くなっていました。おそらく,この本を執筆していた時期だったのではないかと思います。
そして,戦争と戦争に負けた以降とで,学校の教師の言うことが変わってしまい,価値観が180度変わったエピソード(76頁前後)を語ることが多かったのです。こうしたことからも田原さんの言動は,この原体験に強い影響を受けていると思われます。
こうした原体験を持った人から,戦後の教育行政や教育改革,あるいはマスコミにおける教育言説や現代社会における人々の行動様式を見たとき,目に見えない形ではびこる「無責任」体制が日本を滅ぼしつつあると考えるのは理解できなくはありません。(その無責任さをデジタルで象徴させようとした意図がチラッと見えますが,残念ながら失敗していると思います。)
なぜ人々は,自らの範疇を超えてでも物事の懐疑に正面向かって対峙しようとせず,(定型的な落とし所で)完結してしまいがちなのか。
「教育」でも「政治」でも「事業」でも「デジタル教科書」でも,どんな事柄においても,その範疇を超えたところに関係し得る重要問題があるやも知れないのに,それを掘り起こそうとしないのはなぜなのか。
今回の場合は「デジタル教育」なる言葉で新しい教育の可能性が語られているけれども,それが結局は旧態依然の定型的な教育行政(あるいは政治・官僚手法)で進められていく変わらなさになぜ誰も疑問を呈さないのか。
田原さんの問題意識は,こうした事柄に重心があると私は理解します。
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「♪だって〜,しようがな〜いじゃない」と思うかどうかは立場にも拠るでしょう。国の仕組みが変わっていない以上,現実を動かすには旧来手法を援用しなければならない事情もあります。
ただ,田原さんがその可能性を認めているように,ネットの在るこの時代においては,新しいコミュニケーションの可能性も生み出し得るはずです。
「そのことを真剣に取り組むつもりがあるなら,やってみろ!」
この本は,長い年月,日本という国を見続けてきたジャーナリスト田原総一朗さんからの激励なのでしょう。そのためには,積み残している様々な課題に真正面から取り組むことが大事なのだとアドバイスが添えられている…そう受け止めておくことが大事なのかなと思います。
そう理解するためには,かなり行間を補って読む必要がある点は,玉に瑕なのですが,それは緊急出版させた出版社にも責任がありますね。ポプラ社さん,もっと丁寧にね。