20190329_Fri

今朝,Apple社のiWorkアプリがアップデートした。

日本のユーザーが待ちに待っていた「縦書き」サポートが実現。横を縦にした単純な実装ではなく,専用のレイアウトエンジンを組み込んだ上で実現されたようだ(お宝鑑定団情報)。

これまで縦書きがサポートされていないこと一点だけで,そのポテンシャルに比して評価が低かったiWorkアプリだが,これで大きな弱点を克服したことになる。一般的な利用においてPagesで実現が難しいことはほとんどない。あとは,細かい条件を満たせるかどうかというレベルである。(個人的には欧文フォントを和文フォントの組み合わせができるようになればもう文句がない。)

唯一残念だったのは,iCloud版のiWorkは同様な縦書きサポートが実現できなかったこと。

Webベースアプリに組み版レベルの縦書きレイアウト処理をさせるのは,やはり荷が重いのだろう。縦書きファイルも表示のみできるが,編集はできない。

いずれにしても,iOSデバイスユーザーなら無料で利用できるオフィスアプリとして,強力なアップデートだ。

処分しきれていなかった紙書類を片づける。

基本的には書類スキャナで電子化したら,紙書類は廃棄することにしている。ところが,中にはA3サイズの上書類もあり,それらを電子化する作業を後回しにしていた。

研究室の中は,印刷文献資料が山のように積み上がっているので,せめて業務関係の書類は電子化して廃棄したい。

ならば最初から電子化された資料が配布されればよいではないかと思われるかも知れない。実際,全体の会議では紙節約のため電子化されている。問題は,その他細々とした会議では,いまだ紙資料がなくならない。それで慣れた人々が多いと,なかなか変わらないのである。

さて,年度最後の平日。退職される先生からのご挨拶などもあって,少し寂しくもある。

20190325_Mon

Appleが連日のごとく新製品を発表した。

iPadの製品ラインが完全リフレッシュとなり,miniが最新CPUで再登場。すべてのモデルでApple Pencilが使えるようになった。

また,iMacの新モデルや,AorPodsの第2世代も登場した。その他にも細々としたアクセサリーやソフトウェアのアップデートが行われ,25日夜(26日2時頃)にはサブスクリプションサービス関係の発表が行なわれることになっている。

私も筋金入りのAppleユーザーなのだが,手持ちのハードウェアはすべて世代遅れとなって,現行世代のものは何も持っていない。

ああ,興味半分で買った第2世代Apple Pencilと,インターネットラジオ専用サーバーとして購入したMac miniがあるが,これは普段遣い用ではない。

とにかく,道具としてのAppleデバイスは前世代で完成していたということであり,どうしても新しいマシンが必要ということでもない。前世代のものでも十分役立ってくれている。

ただ,基本ソフトや様々なサービスが充実していくと,裏側でパワーを必要とすることが増えていくため,動作が鈍く感じられるときにはマシンパワーの高い新モデルが欲しくなることはある。もう一回,OSのアップデートがあったら,すべて買い替え時かも知れない。

すっかり崩れた生活リズムを新年度に向けて修正しなければ。

20181030_Tue

Appleが新しいMacBook Air、Mac mini、iPad Proを発表しました。

英語で「All-new design」とか「Redesign」とか表現されると、筐体を「真新しくデザインした」フルモデルチェンジと思ってしまいがちですが、今回のMacはどちらかと言えば、筐体デザインは大して変えずに「真新しく設計し直した」モデルといったもの。

見た目のインパクト勝負の時代はとうの昔に終わり、確立した製品カテゴリーを持続的に提供するための裏側の取り組みが粛々と続けられていることを印象づけるものでした。それは今回のMacが100%再生アルミニウムで製造されているといったことにも象徴されていると思います。Airとminiというモデル名が残されたのも、末永く使うものだというメッセージを込めているのではないかと思います。

MacというAppleにとってのパーソナルコンピューター・カテゴリーは、決して終わりを迎えるわけではないものの、そこからまったく新しい何かを始めるということはなく、その時代時代の技術トレンドを取り込むというリフレッシュは行いながらも、基本的にはメンテナンスフェーズにあるという気がします。

では、何か新しいが始まるのはどこかと言えば、それはiOSデバイスのカテゴリーということになります。

今回のiPad Proはフルモデルチェンジと言ってよいと思います。

また先に発売されたiPhone Xシリーズも新しいモデルフェーズに入った製品です。

昨年のiPhone XとiOS 11と組み合わせで先行して姿を現しましたが、いわゆる「ホームボタン廃止後」の新しいモバイルオペレーティングシステムの形は、今回の新しいiPad ProとiOS 12の組み合わせによって本格的に始まるわけです。さらに今後は64ビット対応アプリのみが動作する環境へと完全に移行させていくので、iOSの系譜的にもいよいよ新しい段階へ突入したと見なすことができます。

そうした足回り(OSやAPI、独自CPU等)を組み立て固めていく作業過程に、私たちは長いこと付き合わされてきたわけですが、ここにきてようやく一段落付いた感じだと思います。

新しいiPad Pro自体は、ホームボタンが排除されベゼルが細くなり、コネクタがUSB-C規格になったり、Apple Pencilが第2世代へとモデルチェンジしたりと、期待された改良が施されて文句なく買いだと思います。ただし、それだけのフラッグシップ製品であるだけに、価格もそれなりの金額となってしまうのが痛し痒し。

個人的には初代iPad Proを愛用していますが、私の使い方だとパフォーマンス的に不満は少なく、今すぐに買い換えをする必然性がないので、新しいiPad Proは様子見です。今後、アプリが多機能化などして処理速度の要求度が高くなったり、端末自体が不調になって買い換えニーズが発生したときに検討するのでも十分かなと思っています。

先日のブログで中学校の教育用パソコンのOS種別比率をご紹介しました。

比率は公立学校(小中高特別支援等)に範囲を広げた場合でも似たようなもので、要するにWindows一色なのです。ただ、Windowsのバージョン分断が鮮明で、依然多く残るWindows 7に関しては2020年1月14日に延長サポートが打ち切られるため、新バージョンか別のOSへの移行が求められているところです。

それで、学校で利用するOSは、そもそも何を選んだらよいのだろう、という素朴な疑問に、今ならなんと答えるのが妥当なのか。皆さんは自身の答えをお持ちでしょうか。

問いが厳密でないという問題もあるし、答えるための前提はいろいろ考えられるため、答えのコンセンサスが成立しているとはいえない質問です。

理想的なことを申せば「代表的なOSの機器はすべて導入すべき」なのです。

それぞれのOSや機器毎に特性や独自機能があるのですから、要求に合致するOSや機器を使い分けられるように環境を整えるのが学校であってもいいはずです。図書館の国語辞典がたった一種類しかない状態は貧弱な蔵書状況だといえますが、パソコン機種においても同様に考えてもおかしくはないはずです。

とはいえ、現実的にはそう考える人の方が少なく、パソコン導入となると一つの種類に統一するのが正しいと信じられています。

一つに絞るときの答えは「今どきOSは何を選んでもいい」となります。

ただ、この答えにはいくつもの条件が付きます。まずはインターネット接続を前提とすること,Webサービスなどのクラウド利用を前提とすること等です。

Windows 7が発売されたのは2009年ですが、このあたりから時代はモバイル端末への比重移行を本格的に始めていきます。クラウドのサービスが使い物になったのは2014年や2015年頃で、ほんの少し前のことです。そこでようやくWebブラウザがプラットフォームの役目を担い始めます。

そうなると、Webブラウザが安定して動作すればよいという話になってきますから、Webブラウザが動けばOSは何でもよいということになります。何年か前までは「マイクロソフトOfficeが動かないと…」なんて懸念も流布していましたが、いまやそんな呪文を唱えるの人は極少数です。

実際には管理作業やコストの要素が選択の判断材料になることにはなります。私個人は,OSアップデートに伴うバタバタが少ないのでリンゴマークの機器を好んで使っていますし,ブラウザベースのOSも仕事では使います。

そういうわけで,何を選んでもいいという時ほど,好みがないと選び難い時代とも言えるかも知れません。

GoogleアカウントとApple ID

 大学のゼミナールを立ち上げるにあたって,ゼミの情報環境を整備しています。

 職場はGoogle Apps for Educationを契約して,大学のメールシステムをGmailベースで管理しています。今年度,教職員の移行が完了したことで全学的な運用を開始したところです。

 Google Appsの提供するサービスを利活用できる状態にあるわけですが,まだ全学的な運用を開始したばかりで,メールシステムとしての利用が先行し,各種サービスを大学業務や教育・学習に有効活用するまでにはいたっていません。つまり,これからいろんな使い方を提案していける面白い時期でもあります。

 りんゼミでは,ゼミ生にiPadを活用してもらう計画のため,各自のApple ID取得を求めています。すでに私的にiPhone等を利用してApple IDを取得してあれば,それを利用してもらえばよいとします。基本的に「個人用」としてApple IDを取得してもらいます。

 すると学生は「大学のGoogleアカウント」と「個人のApple ID」2つ持つことになります。

 大学から学生個人に割り当てられているGoogleアカウントは,大学の「在籍者(または卒業生)」を前提としたもので,プライベートに使う「個人用」とは言えません。その辺で2つのアカウントに違いをつけつつ,連携運用させていこうという計画です。

 ちなみに,Androidスマートフォンを所有している人は,携帯電話契約時に個人用Googleアカウントを登録している場合もあります。これも組み合わせて考えてもよいのですが,今回は除外して考えることにします。

 ゼミ生のアカウントの使い分けイメージはこんな感じです。

用途 大学のGoogleアカウント 個人のApple ID
コミュニケーション 大学全般の連絡等に ゼミ関係の連絡に
カレンダー 大学全般・ゼミの予定共有に (個人利用,必要に応じて連携)
ファイル共有 大学関連の配布物をメインに (個人利用,必要に応じて連携)
サービス Googleのサービスやアプリの利用に iPadアプリやApple系サービスの利用に
他社サービス登録用 大学関係の活動に使うもののに 社会人になってからも使うものに

 GoogleやApple以外のサービスやアプリでメールアドレス登録の必要なものもありますが,大学やゼミでの活動に使用するものであれば大学のGoogleアカウント(のメールアドレス)で登録することにして,卒業後に社会人になってからも使いそうなものには個人のApple ID(のメールアドレス)で登録させるといった使い分けになると思います。

 一方,ゼミ自体で代表アカウントを作って,ファイルや情報を共有・保管したり,代表メールアドレスとして使用できれば便利です。

 GoogleとAppleの両方にアカウントをつくる場合,どちらでもメールアドレスを作れることになりますが,2つも代表アドレスは必要ないですし,管理も面倒です。そこでどちらか一方でメールアドレスを作成して,それをもう一方の登録に使用する方法をとります。

 本来なら大学のGoogleアカウントでゼミ代表アドレスが作れると,ドメイン的にもそれっぽいですし,Googleクラスルームというサービスが利用できるメリットも受けられます。一方で,大学の管理下に置かれて外部との連携や共有で融通が利かない面もあったりしますから,一長一短。今回は,Apple IDでメールアドレスを取得後,そのメールアドレスを使ってGoogleの一般アカウントとして登録することにします(つまり,今回の方法はGmailを使わないということになります)。

 ちなみに「大学のGoogleアカウント」と一般の「個人Googleアカウント」の違いは,Google Apps for EducationのWebサイトに以下のような説明があります。

個人アカウントとの違い

 大学のアカウントは,組織利用向けにセキュリティ機能が強化されているため,容易に外部との情報共有が起こらないよう作られていて安心ですが,一方で,社会や他校といった学外との情報共有をしたい場合には面倒がつきまといます。ただし,これらは設定次第ですので,教育機関の情報ポリシーをどう策定し,管理していくかはそれぞれの組織によって異なりますし,管理者によっていくらでも調整が可能です。

 ゼミのアカウントは次のようなことに使います。

ゼミアカウントの用途
代表メールアドレス 共有ドライブ 共有カレンダー 例示用アカウント
アプリ購入 共有デバイスの管理 外部サービス登録

 当初は教員が管理しますが,ゼミが軌道に乗ったら,ゼミ長の学生に管理者を任せたりできるかなと思います。例示用アカウントというのは授業でアカウントの利用事例を見せるときのダミーアカウントみたいな役目です。もっともこれは別に作った方がよい場合もあります。

 以上,ゼミナールを運営していくにあたって,どのようにGoogleアカウントとApple IDを登録し利用するのか,おおよそのイメージをご紹介しました。

 今回は大学のゼミナールでのお話ですが,小さな研究グループやサークル,団体用のアカウントをつくる際にも考えなければならないことだと思います。Googleアカウントの利便性が高いので,基本的にはそれだけ取得しても十分役立ちますが,たとえば共用するiPadなどのAppleデバイスがあるような場合だとApple IDの位置づけをどうしても考えなければならないと思います。

 また,外部サービスや個別のアプリを利用する場合にもアカウントの問題は避けて通れません。そうしたものの登録や運用をどうするのか。今後は,そうした個別具体的なお話もお伝えします。