台湾人の話し言葉その6

ウ・タウロー
(有頭路)
 何らかの職業を持つことだ。サラリーマン、自営業者、公務員などは例外なく仕事をもつからウ・タウローだ。その人のことを強調する場合、人を意味するランもつけてウ・タウロー・ランといえばいいのだ。
チャ・タウロー
(吃頭路)
 在職者とくに被雇用者は扶持を食む存在だから、チャ・タウローまたはチャ・タウロー・ラン(人)という。これを次のように応用して使うといい。
君の職業は何ですか? リー・チャ・サミ・タウロー?
どれくらい働いたか? タウロー・チャ・ルァクゥ・ア?
何年働いたか? タウロー・チャ・クゥイニー?
25年勤続です。 タウロー・チャ・25(ジーツァップゴ)ニー。
何時まで働くか? タウロー・チャ・カァー・テァンシー?
70歳まで働きます。 タウロー・チャ・カゥ・70(チィッツァップ)フエー。
ホォ・タウロー
(好頭路)
 世の職業は多種多様だ。職場では年功制や能力主義が存在する。働き甲斐のある職種もあれば、そうとは思われない職種もある。したがってどんな職種がいい職業かは一概に言えない。しかし、生きがいを感ずる仕事ができることや、適材適所の配置が実現しているような職場は受け入れられやすい。また、報酬が十分満足できるとか、一定の地位が保証されているとかの条件も重要視される。働く本人が満足していることや第3社が評価するような職業はいい職業となろう。とにかくホォ・タツローはすばらしい職業のことだが、この言葉が使われるとき必ず羨ましがられる人物が存在すると考えてもいい。
パァイ・タウロー
(pai頭路)
 好頭路の反対用語である。好と悪(pai)の対立と考えればいい。どんな職業でも一生懸命つとめなければならない。しかし、頑張れば頑張るほどいやになるような環境は嫌われる。能力主義の導入は企業の活性化のために重要視される所以である。能力が発揮できないことや発展の見込みがない職場は職業としていいとはいえない。これはパアィ・タウローという形で表現される。収入で良し悪しを測るとすれば低収入の職種は高収入のそれよりパアィ・タウローとなる。
ツォー・センリー
(ZUO生理)
 現代用語は時代に従って変化する。企業経営は世界標準が必要となる。グローバル化時代の商戦に勝ち残るためには言葉も世界標準にあわせなければならない。現代経済経営用語は教科書に多数見出せる。しかし、クィ・コンシ(会社経営)、クィ・カンティウ(工場経営)などの使い方は文字の音読とともに使われる。ツォー・センリーとは起業とかビジネスを経営することである。もちろん起業をキー・ギャップと音読みでつかっても、創業(ツォン・ギャップ)といってもいいが、要はツォ・センリーにほかならない。

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