台湾の鉄道交通事情

 台湾の縦貫鉄道は台湾の南北を走る幹線である。中央の山脈を囲む形で東部にも鉄道が張り巡らされている。幹線鉄道から多数のローカル線も接続されている。台湾の中程に位置する集集線はその1つである。近年は日月潭や九族村などを目指す観光客に利用されて注目を集めている。とくに台湾南部の阿里山に通ずる森林線は有名なローカル登山鉄道である。観光客としてこのようなローカル線を利用するならば、大都会では味わえない台湾の良さを体験することができる。台湾の土着文化を云々する場合、是非このような土地を訪れて欲しものである。

 レトロブームでかつての鉄道駅が若者にも好まれ、観光資源として再開発も進んでいる。勝興駅はこのような鉄道駅の1つである。観光客や鉄道利用者のために昔風の駅レストランも経営されるようになった。大勢の人が廃墟となった鉄道の橋脚を見るために集まってくる。これでは新婚カップルが礼服着用の記念撮影のためにわざわざ駆けつける名所ともなっている。


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