台湾人と小資本ビジネス

 多くの台湾人はオーナー(頭家)になることを熱望している。しかし、ビジネスの世界は厳しいものがある。責任ある経営をすることは経済学でいう企業家の特性を備える必要がある。資金づくりや経営才能は不可欠である。そこでいずれ独立自営の夢を抱きながらどこかの会社や組織で働くものも少なくない。

 最初から計画を立てて創業するタイプのビジネスは経済学の議論対象になるが、不本意ながら生計のためにオーナーになるタイプのビジネスはあまり考慮されていないのが実情である。日々の暮らしを成り立たせるためにはたとえ最高のビジネスチャンスでなくても従事しなければ生計を維持することができない場合もある。

 自分の責任でビジネスを経営する余地が残されている領域において多くの小資本家が生活密着型のビジネスを展開しているのが実情である。このようなビジネスでは、経営者がオーナー兼従業員となっているケースが多い。


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