このサイトでは、拡張Scratch3.0(Scratch3.0mod)でクラウドにデータ保存できる機能ナンバーバンクを提供しており、先日2.0にバージョンアップしました。

それ以外に、もともとはICカードリーダーで簡単な識別番号(Idm)を読み取れる拡張機能パソリッチを提供しています。

どちらも当初は拡張機能づくりに慣れていない状態で開発をしたものでしたので、機能の実現だけで精一杯。動作が不安定であったり、想定外の利用方法への対応不足も目立ったものでした。

2023年に一気に普及してきた生成AI技術のおかげで、プログラミングの作業負担も一気に改善されました。そのこともあり、これまで開発してきたものの見直しをしているところです。

ナンバーバンクは2.0となりましたので、いよいよ次はパソリッチの更新作業に着手しています。

パソリッチはソニー社製ICカードリーダーのPaSoRiをターゲットにした拡張機能です。

しかし、ながらく更新できないうちに、市場に出回っているPaSoRiのモデルが変わってしまいました。あらたに始めたいと思ってもカードリーダーの入手が困難な状況です。

今回の更新作業では、対応カードリーダーに新たなモデルRC-S300を追加する予定です。

現在は技術情報の収集を行なっている最中ですが、幸い先達者の皆さんの情報もありますし、USBプロトコルの解析の術も確保してあります。大きな障害はないかなと考えています。

現在先行して取り組んでいるのは、全体的な設計の見直しです。

想定した利用方法の範囲でかろうじて動作するレベルの設計とコードだったものを、汎用的に使えるレベルのものに再設計しているところです。

大きなところとしては、ICカードリーダーの複数同時利用のサポートがあります。

これまで、ICカードリーダーは基本一つしかサポートしていませんでしたが、この場合、かざすICカードを変えることによって動作のバリエーションを変えるしかありませんでした。

電子マネーや会員証などの使途であれば、たった一つのカードリーダーに複数のカードをかざす使い方で十分ですが、かざすICカードリーダーによって処理や結果が変わるようなプログラムを開発したい場合には一つでは困ります。

たとえば、「○」カードリーダーと「×」カードリーダーの2つを用意し、二択クイズを出題するようなプログラムです。クイズ参加者が次々と各自のICカードを正解と思う方のカードリーダーにかざしていくことで、参加者の成績管理がリアルタイムに実現します。

複数のICカードリーダーが同時利用できることで、実現できる面白いアイデアが広がります。

すでに開発版では実験的に実現できていますので、どうぞご期待ください。

新しいパソリッチは、年末年始にご提供できるようにしたいと考えていますが、正確な時期については改めてお知らせする予定です。

これら拡張機能を利用したプロジェクト「おかいもの」シリーズも、パソリッチなどのバージョンアップが終わり次第、改良改善に着手したいと考えています。電子マネーをリアルに体験できるコンテンツとして少しずつご利用いただいているようです。今後も継続的に提供できるように取り組んでいきます。